前年度に収集した甘味飲料と減量指導に関する文献検討結果および検討した減量指導用教材の試作品に基づき、平成25年度は甘味飲料に関する減量指導用教材(多機能端末アプリ:iPadアプリ 「ドリナビ」)の改良開発を行った。具体的には、まず飲料各社に商品情報提供の依頼を行い、甘味飲料のカロリーや各種商品情報に関するデータベースの構築を行った。構築した甘味飲料情報データベースは、アプリ「ドリナビ」にて利用した。アプリの改良開発は、数回の専門家等による操作確認やアプリ「ドリナビ」の改良会議を実施し進めた。同時に、モニター調査も実施しさらなる「ドリナビ」の実際の操作やわかりやすさなどの点も含めて改良を行った。開発した減量指導教材アプリ「ドリナビ」は、甘味飲料過剰摂取は、カロリー過剰摂取につながること単に示した上で、改善方法として運動メニューもいくつか提示したり甘味飲料の摂取量を減少した場合の体重減少量をシュミレーションして見せたりするなど、保健指導内容の流れを考慮し、対象者の生活習慣改善に結びつくような構成とした。また、操作も簡単で短時間とできる内容とした。 社会還元・貢献としての取り組みとして、ホームページ「健康教育提供コーナー」http://aimstyle.info/hokenshidou/を開設した。減量に関する幅広い情報提供、保健師をはじめとする専門職のための健康教育教材の提供、開発したアプリの提供を行う内容とした。開発したアプリ「ドリナビ」は、日本公衆衛生学会総会(三重)、日本看護科学学会総会(大阪)にて発表し、減量教育などを行う医療専門職に対して広く周知を行い、モニター調査参加を募った。 本研究で開発した保健指導教材は、現在、第二次健康日本21の策定や特定保健指導の見直しが進む公衆衛生分野において、新しい保健指導教材として医療従事者を中心に積極的な活用が期待される。
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