研究課題/領域番号 |
24890277
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
岡田 純子 摂南大学, 看護学部, 助教 (70636109)
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研究期間 (年度) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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キーワード | 教育担当者 / 役割 / 支援 / 新人看護職員臨床研修制度 |
研究概要 |
新人看護職員の卒後臨床研修が努力義務化され,研修を充実させるための体制づくりとして多くの施設で教育担当者が任命され活動している.教育担当者の役割は,看護部門の新人看護職員の教育方針にもとづき,各部署で実施される研修の企画,運営を中心となって行うこと等であり,教育担当者への教育として,看護協会や各施設においてさまざまなプログラムが企画され実施されている.しかしながら,教育担当者が手探りの状態で不安を抱えながら活動していることや,求められる役割を果たせていないと感じていることなどが報告されている.よって本研究は,教育担当者が実践している役割行動の内容と,役割を担う中で経験する困難と対応について明らかにし,これらをもとに,教育担当者への具体的な支援について検討することを目的とする. 平成24年度は,教育担当者8名に対し,役割行動に関連するデータを参加観察および面接にて収集し,また困難に関連するデータを面接にて収集した.現在これらのデータを分析中であり,一部については学会発表に向け準備中である.今後,さらに対象者数を増やし,データを集積していく.新人看護職員臨床研修制度が努力義務化され4年目となる現在,教育担当者自身から収集したデータにもとづいて教育担当者に対する具体的な支援策を検討すること,およびそれらを集積することは,教育担当者の教育プログラムを構築する上で意義深いと言える.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度は,役割行動に関連したデータ収集と,困難に関連したデータ収集を20名分行うことを計画した. 10月に学内倫理審査会承認後,11月から各施設の倫理審査委員会に申請を開始し,12月からデータ収集を行った.研究手法にあげた参加観察への対象施設および対象者の承諾を得るために、各施設において3~4回の説明会を実施するなど、実際にデータ収集に至るまでに時間を要したが,3月までに2施設8名の対象者に観察と面接を実施した. 役割行動に関連したデータ収集は,対象者が勤務する時間帯に部署管理者及び対象者の承諾を得てナースステーションやカンファレンスルーム等に入り,完全な観察者として1人平均2場面の参加観察を行い,観察内容中に確認したいことがあった場合のみ,対象者の承諾を得て観察終了後に10分程度の面接を実施した.また,困難に関連したデータ収集のための面接は,対象者と時間調整した上で,勤務中や勤務終了後に,対象者が所属する施設のプライバシーが確保できる個室で,1人平均40分行った. 観察や面接後は速やかに逐語録を起こし,分析を行った.現在までに,参加観察で得られた8名分のデータ分析は概ね終了した.また収集したデータの妥当性を検証するために,院内教育の専門家との合同会議を実施し,データに関するスーパーバイズを得た. 困難に関するデータの分析は未実施である.
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今後の研究の推進方策 |
対象者の目標人数を20名と設定しているため,4月より引き続き研究対象施設を確保し,諸手続およびデータ収集を行っていく予定である.具体的には,1施設については平成25年3月に対象施設の倫理審査委員会の承認を受けているため,4月から部署管理者および対象者への説明を行い,5月からデータ収集を開始する.また,対象者の条件を「病床数400床以上の一般病院に勤務する教育担当者」としていたが,研究への協力の申し出があるにもかかわらず,病床数の条件を満たさないために依頼を見送るケースが生じたことから,「350床以上の一般病院」に変更するなどして,研究協力を依頼し,対象者数を増やしていく。
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