高齢者は活動量の減少により廃用症候群に陥りやすく、特に歩行が困難となった場合は、寝たきりになる可能性が高い。これを防ぐために、足浴の温熱効果が下肢筋力やバランス能の向上に有効なのではないかと考え、入院中の高齢者に対して6週間の足浴を実施した。 測定項目は、下肢筋力を反映する足指力、握力、足底荷重値であった。足浴介入後、立位を保てる群の荷重バランスには改善傾向が見られた。しかし支えなしで立位が取れない群は、足浴前の測定が低いうえ、足浴後の荷重バランスは悪化傾向が疑われた。このことから自力で立位を保てるレベルの高齢者に対しては、足浴が歩行機能回復に有効である可能性が示唆された。
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