骨格筋の特性は、体積や発現する速筋型/遅筋型ミオシン重鎖の割合等によって大きく異なる。また、特に遅筋線維を多く含む骨格筋(抗重力筋)には、長期間の宇宙飛行や臥床等に伴い萎縮や速筋化が生じ、発揮張力の減少や易疲労性の亢進を引き起こすことが知られている。本研究では、抗重力筋の廃用に伴う特性変化のメカニズムを追究し、ミオシン重鎖の各アイソフォームの遺伝子およびタンパク質発現は筋線維ごとに制御されており、神経細胞や筋活動パターンに加え筋線維内の遺伝子のエピジェネティックな修飾等も重要な制御因子となっていることを示唆する結果を得た。本成果は、廃用性筋萎縮等に対する新たな予防策を確立するうえで有用である。
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