昨年度は、アセスメントデータのスクリーニングを行い、居宅介護利用者の概要把握をし、特に、訪問看護で必要とされるデータの1つとして居宅介護利用者の褥瘡有症率、認知機能との関係などを分析し、今年度は、その結果を学会発表した。また、今年度は、目的に従って、データ分析をすすめるにあたって、アセスメントデータに再アセスメントデータを加え、月別の介護給付データを連結する作業を行った。2009年4月から2012年9月までに居宅介護支援事業所で介護支援専門員がアセスメントし、かつ、その翌月に介護給付サービスの実績があったデータをスクリーニングし、分析用のデータとして加工した。分析対象者は、居宅介護利用者1995人であった。その対象者のアセスメントデータは、給付サービスデータと連結が可能であったデータである。その介護給付サービスを訪問看護サービスの有無でわけた。対象者1995人の内訳は、訪問看護サービス有り群268人、訪問看護サービス無し群1727人であった。 訪問看護有り群の性別は男性89人(33.2%)/女性179人(66.8%)、平均年齢は80.4歳、無し群の性別は男性619人(35.8%)/女性1108人(64.2%)、平均年齢は79.8歳であり、両群に有意差は認められなかった。要介護認定においては、訪問看護有り群の要介護5は87人(33.2%)、要介護4は62人(23.7%)、要介護3は53人(20.2%)、要介護2は35人(13.4%)、要介護1は24人(9.2%)、要支援は1人(0.4%)、無し群の要介護5は103人(6.2%)、要介護4は229人(13.8%)、要介護3は303人(18.2%)、要介護2は423人(25.5%)、要介護1は550人(33.1%)、要支援は53人(3.2%)であり、有意差が認められた。その他、コミュニケーション、排泄等にも有意差が認められた。
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