心不全の治療法の開発には、重症度を定量的に評価することのできるバイオマーカーが必須である。本研究では、グライコプロテオーム解析により、既存マーカーと併用できる新規心不全マーカーの同定を目指した。 まず、高血圧性心不全モデルラットの左心室において、心肥大および心不全の進行に伴い特徴的な変動を示す糖鎖構造を同定した。この解析から、糖鎖修飾の変動に寄与する糖脱離酵素の血中活性が新規の肥大マーカーとなる可能性が示された。さらに、同定した糖鎖修飾の変動を示す糖タンパク質を左心室組織および血漿から探索した結果、マーカー候補として40以上の心不全関連糖タンパク質を同定した。
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