研究課題
特別推進研究
ホモ・サピエンスの旧人新人交替劇の分析では古代ゲノム研究が主流だが、その成果を踏まえつつ、先行プロジェクト「パレオアジア文化史学」で構築されたユーラシア大陸の考古学的情報を数理科学で解析する手法は斬新である。また、古気候データベースや民族誌データベースを解析に組み込むことで新人の人口増加の説明に最適な変数を推定する手法は、先史考古学の方法論として独創的である。東京大学及び名古屋大学所蔵の膨大な西アジア実物資料を優先的に活用できる点も長所として挙げられる。新たな発掘調査から得られる出土資料や古環境データが、上記解析の蓋然性を検討する際の情報として役立つことを期待する。