小脳、大脳皮質、線条体の3脳領域の多点電極記録、神経核の電気刺激、光遺伝学による細胞種特異的操作を駆使し、高次認知機能における小脳を起点とした回路機構を包括的に理解することを目指した堅実かつ丁寧にデザインされた独創的な研究であり、当該研究分野に大きなパラダイムシフトを起こす可能性をもっている。従来霊長類においては簡単に行うことが困難であった実験に取り組み、貴重かつ堅実な知見を積み重ねることで、学術的に強固なエビデンスを固めつつ研究を推進しようとしており、神経回路研究だけではなく、小脳―大脳連関に関係する脳疾患に対する波及効果も期待できる。
|