• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2024 年度 実施状況報告書

Ex vivo-in silicoハイブリッドによるヒト胎児薬物移行の新解析プラットフォーム構築

研究課題

研究課題/領域番号 24K02200
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

登美 斉俊  慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 教授 (30334717)

研究分担者 千葉 康司  横浜薬科大学, 薬学部, 教授 (30458864)
佐村 修  東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90314757)
野口 幸希  慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 助教 (10803661)
研究期間 (年度) 2024-04-01 – 2027-03-31
キーワード胎盤
研究実績の概要

本研究では、出産後ヒト胎盤ex vivo灌流を記述する生理学的薬物動態モデルの構築とCluster Gauss Newton method (CGNM)を用いたパラメータ推定に基づく、ex vivoヒト胎盤灌流のみでは推定できなかった低膜透過性薬物の定常状態ヒト胎児/母体血漿中薬物濃度比(F/M比)推定手法(ex vivo-PBPKハイブリッド解析)を構築することが目標である。第一歩として、プラバスタチンのex vivo ヒト胎盤灌流試験240分までの濃度推移データを共同研究者から入手し、入手したデータに対するヒト胎盤PBPKモデルのあてはめ計算を行った。パラメータの推定にはCGNMを用いた。得られたパラメータを用いて長時間のex vivo ヒト胎盤灌流試験のシミュレーションを行うことで、定常状態に至るまでのプラバスタチンのF/M比推移を推定した。その結果、CGNMによって推定したパラメータはプラバスタチンのex vivo ヒト胎盤灌流試験の濃度推移データを良好に再現した。長時間のex vivo ヒト胎盤灌流試験のシミュレーションを行うと、定常状態に到達するのに24時間の灌流を必要とし、定常状態F/M比は0.67と推定された。推定F/M比はex vivo ヒト胎盤灌流試験での透過クリアランス比である0.75とほぼ同程度であり、F/M比を適切に推定できた。また、ex vivo ヒト胎盤灌流試験データのない薬物に対しても解析を進めるため、帝王切開後のヒト胎盤を用いた灌流技術の標準化も進めた。薬液灌流には成功し、技術は確立しつつある。想定通りの胎盤検体を得ることができれば、2025年度中に濃度推移データを用いた低膜透過性薬物のex vivo-PBPKハイブリッド解析まで進めたい。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

Ex vivo-PBPKハイブリッド解析をプラバスタチンの灌流データを用いて実際に行い、適切に定常状態F/M比を推定することができた。そのため、本解析スキームの有用性は裏付けられつつある。ヒト胎盤ex vivo灌流データがあればその後の解析は進められる状態にあり、計画初年度の目標はほぼ達成できている。

今後の研究の推進方策

ヒト胎盤ex vivo灌流データがある薬物について、ex vivo-PBPKハイブリッド解析をさらに進めてF/M比の推定を行い、臨床で報告されたF/M比との比較を進める。また、プラバスタチンについてはF/M比だけでなく、妊婦全身PBPKモデルを用いて母体への経口投与後の母体・胎児血中濃度推移を推定することで、臨床で得られたF/M比が非定常状態であった場合でも比較を可能としたい。臨床報告値と推定値の比較を数多く行うことで、ex vivo-PBPKハイブリッド解析の有用性を説得力ある形で提示し、報告値のない薬物で推定したF/M比の信頼性を高めたい。また、ヒト胎盤ex vivo灌流も実際に行い、ヒト胎盤ex vivo灌流データのない薬物についてもデータの収集を同時に進めていく。

次年度使用額が生じた理由

ヒト胎盤灌流を想定以上に効率的に実施することができたため、次年度実施額が生じた。2025年度以降、灌流液中薬物濃度の測定に必要な経費など消耗品費に配分することで、より多くの成果を生み出していきたい。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2025 2024 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] The University of Texas Medical Branch(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      The University of Texas Medical Branch
  • [学会発表] 胎盤における新たな合胞体栄養膜細胞特異的発現輸送体の探索と同定2025

    • 著者名/発表者名
      竹井 隆晟, 野口 幸希, 石鍋 巧朗, 土谷 聡耀, 西村 友宏, 登美 斉俊
    • 学会等名
      日本薬学会第145年会
  • [学会発表] ヒト絨毛外栄養膜細胞モデルHTR-8/SVneoの浸潤におけるP4HA1の関与2025

    • 著者名/発表者名
      野口 暁音, 西村 友宏, 原田 裕香子, 野口 幸希, 登美 斉俊
    • 学会等名
      日本薬学会第145年会
  • [学会発表] エルゴチオネインのOCTN1を介した胎仔移行と胎仔成長への影響2024

    • 著者名/発表者名
      西本 隼翔, 西村 友宏, 中村 綾音, 石本 尚大, 野口 幸希, 加藤 将夫, 登美 斉俊
    • 学会等名
      日本薬剤学会第39年会
  • [学会発表] ラット胎盤特異的なMATE1発現がメトホルミン胎児移行性の動物種差に及ぼす影響2024

    • 著者名/発表者名
      鈴木 あしゅかん, 坂本 瞭, 野口 幸希, 西村 友宏, 登美 斉俊
    • 学会等名
      第64回日本先天異常学会学術集会
  • [学会発表] Trends in in vitro potency and PK parameters; can therapeutic doses be estimated from in vitro Ki?2024

    • 著者名/発表者名
      Tsuchitani T, Kato M, Tomaru A, Tomi M, Sugiyama Y
    • 学会等名
      26th North American International Society for the Study of Xenobiotics Meeting and 39th Japanese Society for the Study of Xenobiotics Meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] Identification of a novel OATP2B1 substrate by a docking study using AlphaFold2 structure2024

    • 著者名/発表者名
      Matsuda R, Nishimura T, Tomi M, Noguchi S
    • 学会等名
      26th North American International Society for the Study of Xenobiotics Meeting and 39th Japanese Society for the Study of Xenobiotics Meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] 胎盤関門におけるMATE1の発現量種差と薬物の胎児移行性2024

    • 著者名/発表者名
      鈴木 あしゅかん, 坂本 瞭, 山内 青依, 橋本 理梨佳, 野口 幸希, 西村 友宏, 登美 斉俊
    • 学会等名
      第45回生体膜と薬物の相互作用シンポジウム
  • [学会発表] 胎盤を介した胎児への物質移行 ─生物学的製剤と自己抗体に関連して─2024

    • 著者名/発表者名
      登美 斉俊
    • 学会等名
      第9回日本母性内科学会総会・学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] 自然流産モデルマウス胎盤におけるpregnancy-specific glycoproteinファミリーのタンパク質定量2024

    • 著者名/発表者名
      橋本 理梨佳, 佐伯 愛子, 菅沼 名津季, 西村 友宏, 野口 幸希, 登美 斉俊
    • 学会等名
      第39回日本生殖免疫学会総会・学術集会

URL: 

公開日: 2025-12-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi