| 研究課題/領域番号 |
24K05017
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| 研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
早川 佐知子 明治大学, 経営学部, 専任准教授 (90530072)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| キーワード | 死と接する仕事 / 死生学 / 人事労務管理 |
| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、日常的に死と接する職務の特質を明らかにし、そして、適切な人事労務管理のあり方を考察することである。初年度にあたる2024年度は、以下の2点について重点的に取り組んだ。 第一点は、死生学に関する海外の学術雑誌のレビューを行ったことである。最も歴史の古いDeath Studyを創刊の1977年から2024年までレビューし、どのようなテーマに研究が集中しているのか、そして時代ごとに変化はあるのかを見た。その中から、本研究に関わりの深い、「職業と死」に関する論文をピックアップし、さらに参考文献を集めた。 ここから見えてくることは、研究上、死というものを時系列に分けることが可能だということである。死の前後で考えれば、①死にゆく人たちの課題と、②死後の課題の二つに分けることができるだろう。①には、死の不安、ホスピス・緩和ケア、安楽死・死の幇助、臓器移植、終末期医療、死にゆく人の人権といったテーマが挙げられる。②については、遺族のグリーフケア、葬儀と葬祭業の役割、職場が受け止める負担、遺族のレジリエンスなどが主なものであることがわかった。その他、③死の前後を問わない一般的な課題(恐怖管理理論、死生学教育、死生観)や、④いずれにも関わる課題(医療専門職が受け止める負担、宗教、自殺(本人あるいは遺族の課題))も存在する。本研究と最も関係が深いのは、②の「職場が受け止める負担」であろう。 2024年度に取り組んだことの二点目は、関係者へのインタビュー調査である。国内では、消防士2名、ケースワーカー1名、介護福祉士の養成機関の教員2名、社会福祉士1名、訪問看護師1名である。また、海外では、アメリカの精神科ナースプラクティショナー1名にもリモートでインタビューを行うことができた。主に、若者の自殺について、薬物と死の関係について、日本とは違う背景を知ることができた。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は、今後の研究のフレームワークを作ることに主眼を置く予定であり、計画通りに進んでいると言える。また、雑誌論文だけでなく、フェイドンの『インフォームド・コンセント』、アリエスの『死にゆく者の孤独』など、この分野の古典とも言える書籍も整理することができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
2年目にあたる2025年度は、本格的にインタビュー調査を進める。先行研究のレビューの結果、本研究でポイントの一つにしたいと考えたのが、「仕事で死と接することが、その人の職業アイデンティティにどのような影響を与えるのか」という点である。死は、決して幸せな出来事ではないし、大多数の職業では見られない特殊な経験である。それゆえに、ある人の人生の大切な機会に立ち会う仕事なのだという誇りにつながる可能性がある。一方で、後悔や自責の念に囚われる可能性もある。プラスの影響、マイナスの影響、それぞれについてインデプス・インタビューを実施したい。 調査依頼をしている職種は多岐にわたる。医療関係者では、最も死に接する機会が多いであろう分野である緩和ケア科・ホスピス、救急科、訪問診療を中心とする。そして、介護福祉士については、組織としてどのような教育をしているかを焦点に、インタビューを行う予定である。というのは、養成校において死生学の教育に割かれる時間が、医療職と比べると非常に少なく、現場に出て戸惑う人が多いことがプレインタビューから明らかになったためである。初年度のインタビュー調査において、訪問医療・介護の看取りは、診療報酬の中の「看取り加算」に左右されることがわかっている。この点を含め、医療職と介護職の間の死をめぐる関係についても伺いたい。 消防については、全国消防職員協議会に依頼をしているため、サンプル数も期待できる。世代や経験年数、特殊な経験(激甚災害など)の有無による差異を明らかにしたい。最も困難かと予想していた葬祭業についても、3社からインタビュー調査の受諾を受けることができた。 今年度からの大きな変更点は、日本文学研究者の応宜娉氏に加わっていただくことである。応氏には、医師である作家が執筆した現代の作品から、死に接する医師たちの感情を明らかにすることで、研究に厚みを作っていただく。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
単著・共著の執筆に時間を取られ、インタビュー調査を予定通りにこなすことができなかったため。共著は2025年5月、単著は2025年6月に校了するため、不足分は2025年度に補うものとしたい。
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