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2024 年度 実施状況報告書

間主観的階層地位の解明とその適用可能性の探求

研究課題

研究課題/領域番号 24K05251
研究機関一橋大学

研究代表者

數土 直紀  一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (60262680)

研究期間 (年度) 2024-04-01 – 2027-03-31
キーワード間主観的階層地位 / 主観的階層地位 / 社会的不平等 / 社会変動
研究実績の概要

2024年度は、オンライン調査実験を実施するための準備作業に従事していたために、申請課題による直接的な実績は公刊されていない。しかし、準備のために採択以前から開始していたものについて、2本の英語論文が国際ジャーナルに受理され、刊行された。Development Studies Researchに掲載されたNegative interaction between democratization and economic development on changes in average life satisfactionは、社会変動が人びとの主観的ウェルビーイングに及ぼす影響について論じたものであり、主観的ウェルビーイングを構成する主観的階層地位と間主観的階層地位の関連にも示唆を与えるものである。Social Science Japan Journnalに掲載されたHow Japan's COVID-19 vaccination policy shapes trust in governance: a relative deprivation approach は、Covid-19ワクチン接種政策を事例にして相対的剥奪が社会信頼に与える影響について論じたものであり、主観的階層地位と間主観的階層地位の関連を考えるうえでも重要となる相対的剥奪のメカニズムの解明をおこなった。論文以外にも精力的に学会報告をおこない、申請課題に関連するトピックについて多くの研究者から意見をえることができた。アメリカ社会学会では、構造変動によって主観的階層地位が影響を受けるメカニズムを、有限混合回帰モデルをもちいて解明することを試みた。数理社会学会では、社会ネットワークによって主観的ウェルビーイングが影響を受けるメカニズムの解明を試みた。これらの成果を、申請課題に効果的に取り入れていきたい。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

2024年度は、予備実験として8月と11月に2回のオンライン調査実験をおこなった。調査は頻繁におこなうことはできないために、本調査で確実に成果を得るためには予備実験をおこなうことは不可欠である。いずれの調査においても無事にデータの収集を終え、本調査にむけての課題が明らかにされている。また収集したデータを分析するなかで、事前には予想していなかったいくつかの興味深い事実も明らかになった。これらの事実をもとに、本調査に向けて必要となる理論仮説を再検討し、その整理をおこなった。本来であれば、調査票の内容を見直し、実験条件の変更を踏まえたうえで、2024年度内に本調査を実施するはずであった。しかし、学内の研究倫理委員会に研究倫理の申請をおこない、その審査結果を待つ必要があったために、2024年度内に本調査を実施することができなかった。その一方で、2025年4月段階では学内の研究倫理審査は終了しており、すでに承認の結果を得ている。ただちに本調査を開始できる準備が整っており、研究課題の遅れは最小限にとどまる見込みである。全体としてみれば、概ね順調に進んでいるといえる。

今後の研究の推進方策

2025年度の予定は、以下通りになる。
1)4月から5月にかけて、オンライン調査実験を実施する。なおオンライン調査は調査会社(楽天インサイト)に協力を依頼し、クワルトリクスをもちいて実施する予定である。2)調査データを収集し終わった段階で、調査データのコーディング・クリーニングをおこなう。通常、調査終了直後の生データそのままでは精緻な分析をおこなうことができないので、データのコーディング・クリーニングの作業が不可欠である。3)調査データのコーディング・クリーニングが終わった段階で、調査データの分析に取り組み、事前に用意した仮説の検討をおこなう。4)調査データの分析結果を踏まえて、学会報告の準備をおこなう。念頭においている学会大会は、国外の学会であれば国際社会学会もしくはアメリカ社会学会、国内の学会であれば日本社会学会もしくは数理社会学会となる。5)学会報告でうけたフィードバックをもとに、英語論文の作成に取り組む。完成した論文は、関連領域の国際ジャーナルに投稿し、可能な限り早期の掲載を目指す。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用が生じた理由は、本調査を2024年度内に実施することができなかったことによる。また年度内に本調査を実施することができなかった理由は、当初想定していたよりも研究倫理審査に時間がかかったためである。研究倫理審査に要する期間について見通しが甘かったために、本調査の実施を遅らせることになったが、本調査の準備はすでに整っており、一か月程度の遅れで済む予定である。したがって、2024年度の段階で使用できなかった分は、2025年度に実施する本調査に使用する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2025 2024

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] How Japan’s COVID-19 vaccination policy shapes trust in governance: a relative deprivation approach2025

    • 著者名/発表者名
      Sudo Naoki
    • 雑誌名

      Social Science Japan Journal

      巻: 28 ページ: -

    • DOI

      10.1093/ssjj/jyae036

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Negative interaction between democratization and economic development on changes in average life satisfaction: evidence from European countries between 1981 and 20222024

    • 著者名/発表者名
      Sudo Naoki
    • 雑誌名

      Development Studies Research

      巻: 11 ページ: -

    • DOI

      10.1080/21665095.2024.2366251

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 社会ネットワークと主観的ウェルビーイング:既婚女性の子育て相談ネットワークの分析2025

    • 著者名/発表者名
      数土直紀
    • 学会等名
      第78回数理社会学会大会
  • [学会発表] Impacts of Expanding Higher Education and Promoting Women’s Labor Force Participation on Subjective Social Status2024

    • 著者名/発表者名
      数土直紀
    • 学会等名
      American Sociological Association's 119th Annual Meeting
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2025-12-26  

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