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2024 年度 実施状況報告書

ミャンマー連邦共和国における民主化政権の教育遺産とその継承に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24K05748
研究機関大妻女子大学

研究代表者

牟田 博光  大妻女子大学, 人間生活文化研究所, 特別研究員 (70090925)

研究分担者 下田 敦子  大妻女子大学, 人間生活文化研究所, 准教授 (60322434)
研究期間 (年度) 2024-04-01 – 2027-03-31
キーワード私立学校 / マトリキュレーション試験 / 合格率 / ミャンマー連邦共和国 / 人的資源 / 就学率 / 反事実的状況
研究実績の概要

2024年度はクーデター後のミャンマー連邦共和国の教育状況について、主に以下の2つの研究活動を行った。
高校課程までの基礎教育段階において、公立学校以外の私立学校の役割は一般に大きい。基礎教育段階における私立学校の発展の実情について、各種統計を元にその発展の理由、州/管区間の違いについて分析した。私立学校は特に高校課程段階で急速に発展したが、私立学校生徒のマトリキュレーション試験合格率は公立学校の倍近くあり、生徒や親の期待はマトリキュレーション試験準備にあったと考えられる。2021年の軍事クーデター後、私立学校の児童生徒数は高校段階で最も減少したが、公立学校も同様の傾向であった。マトリキュレーション試験受験者の減少によって大学への進学需要が少なくなったことがその大きな要因と考えられる。
すべてのタイプの基礎教育学校の就学率の落ち込みにより、将来の発展に必要な人的資源蓄積の滞りが懸念される。相対的な在籍率(現実の在籍数/在籍数の傾向値)は2023年で全国平均で小学校課程87%、中学校課程65%、高校課程44%、全体75%と計算された。教育課程が高いほど、在籍率が低い。さらに、州・管区間の差が大きい。実質登校者率は全国で72%と低くなる。就学率を推定し、本来の傾向値と比較すると、小学校段階で15%、中学校段階で27%、高校段階で31%ポイントの下落がある。SAC政権はKGからG9までの義務化をめざしているがKGからG9まで就学する者は現状では就学予定人口全体の66%と計算され、実現は容易ではない。クーデターがなければこの値は87%と計算されるところから、その差21%ポイントが政変の影響を受けたことになる。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

上記研究実績が示すように、概ね計画どおりに進捗している。

今後の研究の推進方策

2025年3月28日にマンダレー近郊で大地震が発生し、大きな被害が出た。多くの校舎が崩壊しただけではなく、たまたま採点中であった3月実施のマトリキュレーション試験答案用紙が焼失し、6万人以上の受験生が6月に再試験をすることになった。この混乱が2025年度の教育状況にどのような影響を与えるかが心配される。現地調査が可能になる時期を見定めて渡緬し、状況の把握に努めたい。安全を確保しながら、できるだけ当初の計画に沿って、研究計画を遂行する方針である。

次年度使用額が生じた理由

消耗品の発注時期と納品時期に差があるため、形式上次年度使用額が生じた。研究は3年間を通じて切れ目なく行うため、研究遂行に問題はない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2025 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] The role and prospects of private schools in the Republic of the Union of Myanmar2025

    • 著者名/発表者名
      Hiromitsu Muta
    • 雑誌名

      International Journal of Human Culture Studies

      巻: 35 ページ: 92-106

    • DOI

      10.9748/hcs.2025.92

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ミャンマー連邦共和国の大学入学基準に関する研究2024

    • 著者名/発表者名
      牟田博光
    • 学会等名
      日本比較教育学会
  • [学会発表] ミャンマー連邦共和国における私立学校の役割と展望2024

    • 著者名/発表者名
      牟田博光
    • 学会等名
      国際開発学会
  • [学会発表] ミャンマー連邦共和国におけるコロナ禍とクーデターによる人的資源蓄積減少の評価2024

    • 著者名/発表者名
      牟田博光
    • 学会等名
      日本評価学会

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公開日: 2025-12-26  

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