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2024 年度 実施状況報告書

学童期のヤングケアラー対応における養護教諭を中核とした支援システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 24K05856
研究機関四国大学

研究代表者

辻 京子  四国大学, 看護学部, 教授 (60611944)

研究分担者 滝川 つぼみ  四国大学, 生活科学部, 准教授 (20912281)
芳我 ちより  香川大学, 医学部, 教授 (30432157)
西岡 かおり  四国大学, 生活科学部, 教授 (60441581)
中岡 泰子  四国大学, 生活科学部, 教授 (80248319)
研究期間 (年度) 2024-04-01 – 2027-03-31
キーワードヤングケアラー / 養護教諭 / 学童期の子ども / 自閉スペクトラム
研究実績の概要

本研究は、学童期の子どもたちの中でも、発達障害のあるきょうだいをもつヤングケアラーに対して、養護教諭がどのように気づき、支援していけるのかを明らかにすることを目的とした。発達障害のある子どもを育てる家庭では、そのきょうだいが日常的な世話や感情的な支えを担うことが多く、心理的・社会的な負担を抱えることが少なくない。しかし、こうした子どもの置かれた状況は学校生活では表面化しづらく、支援につながりにくいという課題がある。
今年度は、①発達障害の特性やヤングケアラーの実態に関する文献検討、②自閉スペクトラム症のある子どもと関わるボランティア活動を通じたプロセスレコードの分析、③現職の養護教諭を対象に、発達障害児、とりわけ自閉スペクトラム症のある子どもへの気づきや支援の実態・困難さについてのアンケート調査を実施した。その結果、養護教諭は子どもの変化には気づけても、その背景に「ヤングケアラー」としての状況があることまでは把握できず、支援の難しさを感じていることが明らかとなった。加えて、支援の必要性を認識していても、学校内の人員体制の限界や、家庭との連携の難しさといった要因が障壁となり、十分な支援につながっていない現状が示された。
以上の結果から、ヤングケアラー支援においては、養護教諭がその存在に気づけるような視点の育成と校内外の連携体制の強化が不可欠であることが示唆された。本研究の成果は、ヤングケアラー支援の新たな視点として、学校保健学会、養護教諭教育学会、日本健康相談活動学会にて発表した。

現在までの達成度
現在までの達成度

3: やや遅れている

理由

本研究は当初の計画よりも進行が遅れた。主な理由として、現職養護教諭へのアンケート調査において、対象校の協力を得るのに時間を要したことが挙げられる。また、ヤングケアラーの実態に関する文献が限定的であったため、研究の方向性を検討し直す必要が生じ、全体の見通しに遅れが出た。さらに、ボランティア活動におけるプロセスレコードの分析にも時間を要し、内容の精度を高める作業に予定以上の時間をかけた。

今後の研究の推進方策

本研究は、学童期のヤングケアラーの中でも、発達障害のあるきょうだいをもつ子どもに着目し、養護教諭がどのように気づき支援できるかを明らかにすることを目的として進めてきた。今年度は文献検討、ボランティア活動でのプロセスレコード分析、現職養護教諭へのアンケート調査を実施し、支援の難しさや学校内体制の限界が浮き彫りとなった。
今後の推進方策としては、①子どもが安心して思いを話せる場の構築に向けた支援環境のあり方の検討、②養護教諭がヤングケアラーに気づくための視点やサインに関する視覚的・実践的ツールの作成、③家族支援に関わる養護教諭への聞き取り調査を通じた多角的視点の導入を予定している。研究計画の変更点としては、当初予定していた学校内支援体制の検討に加え、家庭支援の視点からのアプローチを明確に位置づける必要が生じた。
課題として、文献の不足やアンケート協力校の確保に時間を要したことがあり、今後は協力機関との連携体制を早期に整えることで、円滑な調査実施を図る。また、プロセスレコードの分析に時間を要したが、内容の深まりに寄与したと捉え、引き続き質的データを活用した実践的考察を重視していく。

次年度使用額が生じた理由

今後は、①子どもが安心して思いを話せる場づくりに向けた支援環境の検討、②養護教諭がヤングケアラーに気づくための視点やサインに関する実践的・視覚的ツールの作成、③家族支援に関わる養護教諭への聞き取り調査を通じた多角的視点の導入を予定している。また、当初は学校内支援体制の検討に主眼を置いていたが、研究を進める中で家庭支援の視点を明確に位置づける必要が生じ、研究計画に変更を加えた。
課題としては、関連文献の不足やアンケート協力校の確保に時間を要した点があり、次年度は協力機関との連携体制を早期に整えることで、調査の円滑な実施を図る。また、プロセスレコードの分析に時間を要したものの、実践の気づきを深める貴重な資料となったため、今後も質的データを重視した考察を継続する。
今年度は、アンケートの印刷・郵送費やボランティア活動時の移動費、文献購入費等に使用した。翌年度分として請求した助成金は、視覚的支援ツールの作成費、調査に伴う旅費、インタビュー録音・文字起こし等の費用として計画的に活用する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2025 2024

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 辻京子,滝川つぼみ,西岡かおり,中岡泰子2025

    • 著者名/発表者名
      自閉スペクトラム症の子どもたちを支えるために学校組織に求められること ―養護教諭の視点から―
    • 学会等名
      日本健康相談活動学会
  • [学会発表] 滝川つぼみ,辻京子,中岡泰子2025

    • 著者名/発表者名
      自閉スペクトラム症の児童生徒支援に関わる養護教諭の役割
    • 学会等名
      日本健康相談活動学会
  • [学会発表] 養護教諭養成課程学生の専門性を高める教育内容の検討2024

    • 著者名/発表者名
      辻京子,滝川つぼみ,西岡かおり,中岡泰子
    • 学会等名
      日本養護教諭教育学会
  • [学会発表] 知的障害を伴う自閉症のきょうだいをケアする子どもが教員に期待する支援2024

    • 著者名/発表者名
      辻京子,滝川つぼみ,西岡かおり,中岡泰子
    • 学会等名
      日本学校保健学会

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公開日: 2025-12-26  

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