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本研究は聴覚障害のある児童生徒、学生を対象として視覚的情報の中でも図が読解に与える効果について明らかにするものである。具体的には、①聴覚障害のある児童生徒学生を対象に図が含まれる文書を読んでもらい、図の読み能力及び図を効果的に活用できる読解レベル(難易度)について明らかにすること、②文章読解への図の活用を阻害する要因について明らかにすること、③図が文書内容の理解を促進するための読解指導モデルを作成し、検証することを研究の目的としている。 これまで聴覚障害のある大学生と健聴の大学生を対象として、図が読解に与える効果について実験的研究を行った。その結果、「逐語的表象」レベルでは聴覚障害のある大学生は図を参照したが、「テキストベース」「状況モデル」レベルでは、図を参照せず、文章のみを参照していたことが明らかとなった。また、健聴の大学生群の方が聴覚障害大学生群よりも「図と文章の両方を参照」した回答数が有意に多く、また、文章理解度テストにおいても健聴の大学生群の方が聴覚障害大学生群よりも有意に点数が高かったことから、聴覚障害のある大学生群にとって「図と文章の両方を参照」した読解が困難であったと考察された。 そこで、図に用いられている記号の解釈テストを実施し、図の理解の正確さが文章理解度に与える影響について検討することとした。記号の解釈テストでは、聴覚障害大学生群の正答率が有意に低いことが明らかになったが、記号の解釈テストの成績が文章理解度テストの成績と相関するかどうかを分析した結果、有意な相関関係は認められなかった。図を構成する細かな記号の解釈が正確でない場合にも図を活用している、つまり違った図の中の異なる要素が理解に影響を与えている可能性も考えらた。
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