| 研究課題/領域番号 |
24K08460
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| 研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
梅山 大樹 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 高分子・バイオ材料研究センター, 研究員 (00821480)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| キーワード | 配位高分子 / 電子構造 / アゾールアニオン |
| 研究実績の概要 |
6s軌道を価電子軌道として持つPb(II)とアゾールアニオン(Az)を用い、二元化合物Pb(Az)2を合成した。Pb(Az)2はPb(II)に窒素原子が架橋配位した配位高分子で、Azアニオンとしてイミダゾレート(Im)、1,2,4-トリアゾレート(Tr)、テトラゾレート(Tt)を用いた。化学組成から一つのPb(II)に対する窒素原子の数はそれぞれ4、6、8となるため、Pb(II)の配位数はAzアニオンが持つ窒素原子の数で規定できるというのが本研究の骨子である。実際に、Pb(Az)2の結晶構造を単結晶X線回折測定により精密化した結果、Pb(Im)2、Pb(Tr)2、Pb(Tt)2でPbの配位数がそれぞれ4、6、8となることが確認された。 配位数が小さいPb(Im)2ではPbの配位幾何構造が非対称的にひずんでおり、Imアニオンの反対側にPbイオンの孤立電子対が生成していることが示唆された。一方、配位数の大きいPb(Tt)2ではTtアニオンはPbの配位圏に均等に分布しており、Pbイオンの孤立電子対による立体化学的な特徴は見られなかった。Pb(Tr)2はPb(Im)2とPb(Tt)2の中間的な配位構造であり、Pb(Im)2と同様の立体化学的に活性な孤立電子対が見られた。 第一原理計算を用いた電子構造の解析により、Pb(Im)2とPb(Tr)2ではPbのp軌道が価電子帯に混合することによって孤立電子対が生成していることが示され、Pb(Tt)2ではPbのp軌道の混合は見られなかった。これらの結果より、アゾールアニオンによってPbの配位数を規定することで得られる配位高分子の電子構造を設計できることが明らかになった。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始時に目的としていた配位子の分子設計に基づいた配位数の設計が、Pグロック金属イオンの一つであるPb(II)について実現できたため。また、単に配位数を規定するだけでなく、それによって得られる物質の電子構造が制御できることを示すことができたため。
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| 今後の研究の推進方策 |
第一原理計算によって価電子帯バンドのエネルギー準位を見積もったところ、Pb(Im)2、Pb(Tr)2、Pb(Tt)2の価電子帯バンドの最大エネルギー(E(VBM))は真空準位からみて-6 eV程度であることが示唆された。種々の無機化合物についてはE(VBM)が経験的な-6 eVよりも大きければホールドープが可能であることが経験的に知られていることから、Pb(Az)2についてもホールドープを検討する予定である。ホールドープはPbサイトの置換やアゾールアニオンサイトの置換など、複合的なアプローチを試みる。ドープ成否は組成分析や導電性の測定によって評価する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
研究を進める過程で第一原理計算が非常に有効な解析手法であることが判明し、そのためのライセンス購入とスパコンの利用に予算的・時間的資源を集中した結果、次年度使用額が生じた。第一原理計算によって得られた結果を合成・測定実験にフィードバックすることで今後効率的に研究経費を執行していく予定である。
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