| 研究課題/領域番号 |
24K11596
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| 研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西出 真之 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (80812255)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| キーワード | シングルセル解析 / 自己免疫疾患 / 血管炎 / 全身性強皮症 |
| 研究実績の概要 |
今年度は全身性強皮症・ANCA関連血管炎を主たる標的疾患とし患者血球と組織のシングルセル解析を行った。本研究の独自性として、顆粒球を含む全白血球とともに、腎臓検体をの空間トランスクリプトーム解析を遂行し、遺伝子情報のみでなく、細胞表面分子情報も加えた多層的シングルセル解析を行った。末梢血白血球、血清、および病変組織(腎生検検体)を採取し、一細胞ごとの遺伝子発現情報と細胞表面抗原情報をリンクさせるCITE法・Abseq法を用いて多層的オミクス解析を遂行するだけでなく、臨床現場と検体処理、解析を同一のチームで行うというスキームを確立した。解析においては、病態にリンクして増減する細胞集団を細胞間遺伝子発現の類似性の近傍解析の手法であるDifferential Abundance(DA)解析を用いた。その結果、Nature Reviews Immunology 2024では、「解析と臨床の橋渡しという新たなコンセプトの展開」というテーマで免疫疾患領域の多層的オミクス解析を網羅し解説するとともに、「バイオインフォマティクスと実臨床の融合」を提起し同誌2024年11月号の表紙を飾るに至った。Nature Communications (Accepted Mar 2, 2025)においては、世界で初めて免疫疾患領域での好中球のシングルセル解析に成功し、タイプIIインターフェロン刺激を受けた好中球が血管炎患者では過剰な活性化を示しており、その血中濃度が再燃予測マーカーになることを示した。Nature Communications (Accepted Mar 11, 2025)においては、全身性強皮症検体のシングルセル解析からベッドサイドの臨床的多様性を形成する免疫異常の特徴として、特に難治性腎クリーゼ病態における単球EGR1遺伝子のバイオマーカーとしての有用性を示した。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りのサンプル数を取得し、解析を順調に進めることができている。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は血管炎の腎病変や好酸球増多疾患にもさらに着目し解析を進めるとともに、これまでの研究計画で見いだした分子や細胞集団を動物モデルへ応用する。モノクローナル抗体によるANCA関連血管炎モデルマウスの病態誘導に成功しているため、これらの疾患モデルの表現型や阻害抗体の治療効果を判定することで、見い出された分子が臨床応用可能なものであるかどうかを総括する。引き続き、自己免疫病態において組織障害に至る手前で変化する特定の分子や細胞集団を明らかにし、自己免疫疾患の創薬ターゲットとして臨床応用へ方向付ける成果をもたらしたい。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
今年度は新規のサンプル収集やマウスを用いた実験がまだ準備段階のものが多かったため、消耗品にかかる経費が予想よりも少なくなったが、次年度以降でこれらの計画を本格化させ、有効に使用させていただく予定である。
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