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2024 年度 実施状況報告書

免疫細胞カルシウムシグナリング病態の高次スペクトルによる定量

研究課題

研究課題/領域番号 24K15700
研究機関山口大学

研究代表者

安部 武志  山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10819402)

研究分担者 安達 貴弘  東京科学大学, 新産業創成研究院, ジョイントリサーチ講座准教授 (50222625)
研究期間 (年度) 2024-04-01 – 2027-03-31
キーワードカルシウムイメージング / 細胞間相互作用 / B細胞
研究実績の概要

2024年度には、疾患モデルでない遺伝子組み換えマウスの生体イメージング実験により、リンパ組織である脾臓内に散在するB細胞、特にIgA産生細胞のカルシウムイメージング動画を収集した。イメージング動画は1秒ないし2秒間隔のフレームレートで撮影し、同時に数十個程度のB細胞について自発的な細胞質内カルシウムイオン濃度の動態を記録した。イメージング動画から細胞毎にカルシウムシグナルの時系列データを抽出するため、機械学習モデルSegment Anything Model 2による自動セグメンテーションを用いて各細胞の領域を追跡する処理を導入した。
非疾患モデルについての予備解析として、抽出した多変量時系列データに対し、各細胞のシグナル同士にある非線形な依存性を定量する情報理論上の統計量を算出した。その結果、細胞同士が非接触であってもより近傍にある細胞のシグナル同士が相互作用している傾向があることが明らかになった。
この成果により、本研究の目的である疾患・未病状態特有の免疫細胞間相互作用の特徴を特定する上で有望な定量化が示唆された。さらに、本研究実施計画で提案していた高次スペクトル解析手法の計算を困難にしていた組合せ爆発がこの定量化では生じないことも分かり、計画段階には無かった知見が得られたという点で意義があった。また、2025年度以降に行う疾患モデルを用いた比較実験の条件を決定するために必要な情報が得られた点にも意義があった。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

2024年度は、本研究実施計画で実施する予定にしていた生体イメージング実験のうち、非疾患モデルについての実験の一部を実施した。
一方、免疫細胞間相互作用解析手法として実施計画で提案していた高次スペクトル解析について細胞数が増えた場合に計算される項の組み合わせの数が爆発するという問題があったが、この問題を生じない情報理論上の統計量を応用できることが分かった。このため、実施計画に含まれていた解析手法の改良を待たずに解析を進めることが可能になった。
なお、非疾患モデルについての予備解析の研究成果について2025年に学会発表を行う予定が決まっている。
以上のことから、3年間の本研究実施計画における1年目の2024年度における進捗状況としては、おおむね順調に進展していると自己評価している。

今後の研究の推進方策

2025年度には、本研究実施計画で実施する予定にしていた生体イメージング実験のうち、疾患モデルについての実験を行うことで、免疫における疾患・未病状態と正常状態を比較するためのデータを収集する。並行して、機械学習モデルを含めた解析用のパイプラインを極力自動化し、客観性と再現性のある免疫細胞間相互作用の定量化に向けた技術の開発を推進する。また、カルシウムシグナルの上流にある細胞内シグナル伝達経路の同定や、カルシウムシグナルを伴う細胞間相互作用を媒介するパラクリン因子を同定する等の発展につなげるために、関連する学会での情報収集や関連分野の研究者との交流を積極的に行う。

次年度使用額が生じた理由

2024年度には、実験に必要な蛍光プローブの発光の強度を測定するための微量分光光度計を急遽購入するための予算を要し実験補助業務が削減されたこと、また解析手法の情報収集のために参加する予定だった国際学会に参加できなかったことにより、謝金および旅費に関して当該の未使用額が生じた。
次年度である2025年度の使用計画として、実験に必要な試薬や染色用抗体といった消耗品、実験補助業務を担当する人員のための謝金、国内および国際会議での本研究課題のための情報収集や研究発表を行うための旅費に用いる。また、研究の進捗状況によって研究成果について論文の発表が可能となれば、雑誌論文投稿料に用いる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2025

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 免疫細胞カルシウム濃度動態に基づく未病検出のための高次グラフシグナル解析2025

    • 著者名/発表者名
      安部武志, 浅井義之, 安達貴弘
    • 学会等名
      第64回日本生体医工学会大会

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公開日: 2025-12-26  

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