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2024 年度 実施状況報告書

アメリカにおけるモダニズムとしてのプロレタリア文学研究

研究課題

研究課題/領域番号 24K16012
研究機関津田塾大学

研究代表者

木原 健次  津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (50800984)

研究期間 (年度) 2024-04-01 – 2027-03-31
キーワードアメリカ自然主義文学 / プロレタリア文学 / 囲い込み / ケア労働
研究実績の概要

2024年度は、研究対象であるアメリカ合衆国の急進派作家・知識人に関して同国での資料収集を行なった。具体的には、イェール大学、ションバーグ黒人文化研究センター、ニューヨーク大学にてアーカイブ調査を行い、リチャード・ライト、アン・ペトリ、ポール・ビュールをはじめとした作家・知識人に関する一次資料を中心に渉猟した。
リチャード・ライトについては、ドキュメンタリー・ブック『一二〇〇万人の黒人の声』(1941年)を考察する論文を学会誌に発表した。同論文では、階級集団よりも文化的連帯を重視した同時代の人民戦線の方針に抗して、ライトはあくまでも生産諸関係が集団や個人の経験を決定づけるという歴史観に基づいて黒人労働者の経験を物語っていることを論じた。
調査を進める中で、アフリカ系アメリカ人女性作家アン・ペトリがアメリカ自然主義文学・プロレタリア文学の系譜においてもつ重要性が浮き彫りになり、とりわけ、貧困と格闘するシングルマザーの主人公を描いた長編第一作『ストリート』の考察が重要だと判断しため、今年度はアーカイブ調査で得られた知見を踏まえつつ同作の分析に力を注いだ。分析にあたり、当該小説が描くケア労働・再生産労働の意義を明らかにすべく、シルヴィア・フェデリーチらの著作にも触れ、近年のマルクス主義理論の展開の最新動向もおさえた。これらの成果の一部を、津田塾大学言語文化研究所・アメリカ文学女性像研究会の2024年度第4回例会(2025年3月実施)の講演にて発表した。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

海外資料収集と学会発表を一回ずつ行い、学会誌に論文を一本発表することができた。当該年度のアーカイブ調査や発表の成果を論文として発表するには至らなかったものの、2025年度には査読誌に投稿する具体的な目処が立っている。

今後の研究の推進方策

2025年度もアメリカ合衆国でのアーカイブ調査を行う予定である。前年度に引き続き、研究成果を学会発表するとともに、それを発展させて論文として発表することを目指す。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2025 2024

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] リチャード・ライトの歴史観──『一二〇〇万人の黒人の声』における階級と文化2024

    • 著者名/発表者名
      木原 健次
    • 雑誌名

      フォークナー

      巻: 26 ページ: 42,59

  • [雑誌論文] 「大衆」とマルクス主義批評ーープレストン・スタージェス『サリヴァンの旅』を例に2024

    • 著者名/発表者名
      木原 健次
    • 雑誌名

      アウリオン叢書

      巻: 23 ページ: 39,55

  • [雑誌論文] 【書評】村山淳彦著『ドライサーを読み返せ──甦るアメリカ文学の巨人』(花伝社、2022年)2024

    • 著者名/発表者名
      木原 健次
    • 雑誌名

      英文学研究

      巻: 101 ページ: 168,172

  • [学会発表] アン・ペトリの自然主義──『ストリート』における所有関係と抵抗2025

    • 著者名/発表者名
      木原 健次
    • 学会等名
      津田塾大学言語文化研究所アメリカ文学女性像研究会 2024年度第4回定例会
    • 招待講演

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公開日: 2025-12-26  

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