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2024 年度 実施状況報告書

台湾先住民族の伝統的コミュニティの再編成とローカルNGOに関する人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24K16233
研究機関大阪観光大学

研究代表者

尤 驍  大阪観光大学, 観光学部, 講師 (40988606)

研究期間 (年度) 2024-04-01 – 2028-03-31
キーワードコミュニティ / ローカルNGO / 観光 / SNS / 台湾原住民族 / ルカイ / 伝統的な権威者(頭目)
研究実績の概要

2024年度では、文献研究と臨地調査の2つの方向で研究を推進した。
(1)文献研究において、①『理蕃の友』、『高砂族調査書』など日本植民地期の記録とはじめとした台湾原住民族に関連する文献資料の収集、整理を行い、②「実践コミュニティ」はじめとしたコミュニティに関する人類学の諸理論を検討した。さらに、コミュニティ観念の形成における情動的・身体な側面に着目する必要性に気づき、情動と記憶に関連する人類学の理論について検討を行った。
(2)臨地調査において、8~9月(計15日間)、11月(計5日間)に台湾に2回渡航し、コロナ禍による入国制限で4年間中断した臨地調査を再開した。8~9月の調査では、コチャポガン部落・ダワンラン部落・マカザヤザヤ部落・クンガダワン部落などのルカイのコミュニティに訪れ、アフタコロナにおけるローカルNGOと観光産業の現状を中心に調査を行った。計画外であったが、コチャポガン部落の伝統首長家の結婚式を見学し資料を収集した。加えて、九族文化村など台湾原住民族の観光・文化展示施設も見学した。11月の調査ではクンガダワン部落の伝統祭典およびテルルカ部落の伝統首長家の出身者の日本植民地期における観光経験について調査した。
本年度の具体的な研究実績として、①観光活動(共著、2024年4月刊行;学術論文、2025年3月刊行)と②SNS利用(研究発表、2024年6月;論集、2025年11月刊行予定)の2つの視点からルカイのコミュニティ観念の形成について考察した。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度では、おおむね計画通りに文献調査と臨地調査を実施できた。特にコロナ禍により一時中断した臨地調査を再開し、現地における研究調査者・研究者とのネットワークを築きなおすことができた。11月に行った臨地調査では予想外のことが起き、本来調査する予定だったクンガダワン部落の伝統祭典が台風の影響で延期になり、見学できなかったが、祭典の運営者への聞き取りおよび事後のオンライン調査で補った。さらに臨機応変に調査目的を変更し、テルルカ部落の伝統首長家の出身者の日本植民地期における観光経験についての新しい歴史資料を収集することができた。テルルカ部落で新しい人脈を作ることができ、将来の臨地調査が期待される。

今後の研究の推進方策

今後では、計画に沿って文献研究と臨地調査を引き続いて行い、今年度の予備調査で収集したデータを整理し分析し、今後の課題を更に明確する。2025年度では8月、11月に2回の臨地調査を行い、ルカイの各集落の伝統祭典の計画・支度・運営などの諸活動におけるNGOの役割を中心として情報収集し分析する。研究の成果を学術論文や口頭発表でまとめる。

次年度使用額が生じた理由

今年度ではほとんどの経費を計画通りに使用したが、残りの152円分には特に使い道がなかったので、来年度の研究計画を遂行するための経費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2025 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 観光する頭目、観光資源化される頭目、観光をリードする頭目:台湾原住民族ルカイの伝統的な社会階層制度と文化観光との絡み合い2025

    • 著者名/発表者名
      尤驍
    • 雑誌名

      大阪観光大学研究論集

      巻: 25 ページ: 41-54

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 台湾原住民族のSNS利用とコミュニティの再構築:「実践としてのコミュニティ」をめぐる一試論2024

    • 著者名/発表者名
      尤驍
    • 学会等名
      日本文化人類学会第58回研究大会
  • [図書] 楽しむ力とツーリズム2024

    • 著者名/発表者名
      小槻文洋・河村悟郎・身玉山宗三郎・尤驍 ・金世徳
    • 総ページ数
      91
    • 出版者
      晃洋書房
    • ISBN
      9784771038431

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公開日: 2025-12-26  

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