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2024 年度 実施状況報告書

イネ由来メタン酸化微生物コンソーシアムにおける微生物間相互作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24K17996
研究機関名古屋大学

研究代表者

新庄 莉奈  名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (10908841)

研究期間 (年度) 2024-04-01 – 2027-03-31
キーワードメタン酸化細菌 / コンソーシアム / メタン / 水田 / イネ
研究実績の概要

水田の嫌気環境でメタン生成古細菌により生成されたメタンの約8割は、土壌表層や根圏に生息するメタン酸化細菌により酸化・消費される。そのため、水田生態系におけるメタン酸化細菌の活性を高めることができれば低炭素型農業の実現に繋がると考えられる。本研究では、イネの根圏でメタン酸化細菌と協調的にはたらく従属栄養微生物に着目し、その機能や菌間相互作用についてDual RNA-seq解析及びメタボローム解析を通じて明らかにするとともに、それらをコンソーシアムとしてイネに接種することで安定した定着と高いメタン酸化活性の実現を目指す。
研究期間1年目は、水田環境から分離されたメタン酸化細菌6株と従属栄養細菌6株を異なる組み合わせで混合培養し、メタン酸化が促進される菌の組み合わせを選抜した。選抜した菌群について、それらの共培養液からRNAを抽出し、メタン酸化細菌と従属栄養細菌の双方を対象にしたDual RNA-seq解析から発現が変動した双方の遺伝子群を調査した。解析の結果、メタン酸化細菌と従属栄養細菌の双方でC1代謝に関わる遺伝子群の発現が変動しており、従属栄養細菌はメタン酸化細菌のC1代謝物を炭素エネルギー源として利用していると推察された。さらに、メタン酸化細菌と従属栄養細菌双方でアミノ酸や無機塩などの輸送に関わる遺伝子群の発現が上昇していたことから、メタン酸化の促進にはC1代謝物以外の物質も関与することが推察された。今後、近縁種との比較ゲノム解析や共培養液のメタボローム解析を行い、メタン酸化の促進に関わる遺伝子群や代謝物を明らかにする予定である。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は、当初の計画通り、メタン酸化細菌と従属栄養細菌の混合培養から、メタン酸化が促進される菌の組み合わせを選抜した。さらに、選抜した菌群においてDual RNA-seq解析を実施し、メタン酸化の促進に関わると考えられる候補遺伝子を絞り込むことができた。これらの解析結果は従属栄養細菌がメタン酸化を促進する分子機構を解明するために重要な情報であり、次年度に実施する比較ゲノム解析やメタボローム解析を通じて、関与する遺伝子群や代謝物をより詳細に明らかにする計画である。これらの進行状況から、おおむね順調に進展している、と判断した。

今後の研究の推進方策

メタン酸化細菌と従属栄養細菌のコンソーシアムとしての機能や菌間相互作用について、(i) 比較ゲノム解析やメタボローム解析を通じて明らかにするとともに、(ii) イネに接種した際のイネへの定着性やメタン酸化への影響を調査する。
(i) これまでに選抜したメタン酸化細菌と従属栄養細菌について、近縁種とのゲノム比較から菌間相互作用に関わる遺伝子を推定する。さらに、メタン酸化細菌と従属栄養細菌の混合培養液を対象にメタボローム解析を行い、微生物間の代謝物の動態、及びメタン酸化促進に関わる物質を明らかにする。
(ii) これまでに選抜したメタン酸化細菌と従属栄養細菌をコンソーシアムとしてイネに共接種し、圃場環境下におけるメタン酸化細菌の定着やメタン発生にもたらす影響を明らかにする。経時的にイネのメタンフラックスを調査し、対照区(単独接種区)とコンソーシアム接種区においてメタン排出量を比較するとともに、メタン酸化細菌の配列特異的プローブを用いた定量PCRによりメタン酸化細菌の生息数を調査し、菌の定着性に対する従属栄養細菌の効果を検証する。

次年度使用額が生じた理由

RNA-seq解析費用が当初の想定よりも安価であったため。また、家庭の事情により予定していた学会に参加できなかったため差額が生じた。次年度、追加のRNA-seq解析や技術補佐員の人件費として使用する。

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公開日: 2025-12-26  

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