研究課題/領域番号 |
25000001
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
白波瀬 佐和子 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (00361303)
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研究分担者 |
佐藤 嘉倫 東北大学, 文学研究科, 教授 (90196288)
石田 浩 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (40272504)
中村 高康 東京大学, 教育学研究科, 教授 (30291321)
有田 伸 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (30345061)
三輪 哲 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (20401268)
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研究期間 (年度) |
2013 – 2017
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キーワード | 少子高齢化 / 社会階層 / 格差生成メカニズム / 職業経歴 / 社会階層意識 |
研究実績の概要 |
平成28年度には、3つの調査を実施した。まず、第11回「働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査」(若年パネル)を、2016年4月から6月にかけて実施した。その結果、3,439名からの回収を得た(継続・追加パネルの単純合計)。詳しい集計結果は、http://csrda. iss. u-tokyo. ac. jp/panel/PR/16PressRelease. pdfを参照のこと。 第2に、第4回「中高年者の生活実態に関する継続調査」(中高年パネル)を、2016年9月から10月にかけて、2,917名に対して実施し、2,455人から回答を得た(回収率84.2%)。現在は、データクリーニング作業に着手している。 第3に、日本に在住する2016年12月時点で満20~79歳の外国人を対象に、男女1,000人を住民基本台帳から無作為に抽出し(地点数は70地点)、2017年3月、「日本のくらしと仕事に関する全国調査」(http://www. l. u-tokyo. ac. jp/2015SSM-PJ-foreign/index. html)を実施した。本調査は、日本人のみならず外国人を含む大規模な全国調査の実施にあたっての基礎資料とすることを目的としている。調査票は、日本語、英語、中国語、ポルトガル語、韓国語、の計5ヶ国語版を準備した。郵送配布・回収の結果、回収率は20.1%。使用言語は、日本語36.3%、英語26.9%、ポルトガル語11.4%、韓国語4.0%、中国語21.4%であった。 最後に、2015年「社会階層と社会移動の全国調査」(SSM調査)のクリーニング作業を終えて、有効回収率を50.1%と確定し調査概要をHP上に公表した(http://www. I. u-tokyo. ac. jp/2015SSM-PJ/index. html)。現在は、全体を9つのテーマ別分析班を構成して、研究を鋭意進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成28年度は、当初予定していた第11回若年パネル調査と第4回中高年パネル調査を実施することができた。また、2015年に実施した第7回「社会階層と社会移動に関する全国調査(SSM調査)」のデータクリーニングを終えて、本格的な分析を進めている。それに加え、2015年SSM調査の対象とすることができなかった日本に住民登録のある外国人(20~79歳の男女1,000人)を無作為に抽出して対象とする、「日本のくらしと仕事に関する全国調査」を実施した。本調査は、日本全国を対象に外国人住民を無作為調査した貴重なデータである。その意味で、当初の計画以上に進展しているとした。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、本研究事業の最終年度にあたる。1955年以降、10年ごとに実施されてきたSSM調査、若年・壮年を対象とするパネル調査に、高齢層への移行にも着目した中高年パネル調査の蓄積を、学会報告、学術論文、書籍等として成果を積極的に出していく。まずは、日本社会学会、家族社会学会、教育社会学会、数理社会学会において、研究成果をテーマセッション等も組みながら公表していく。国外においても、国際社会学会、アメリカ社会学会等を中心に、研究報告を行い、同時に、学術雑誌への投稿、執筆を積極的に支援、推奨していく。 2017年4月1日時点で119名のメンバーが本研究プロジェクトに所属しているが、そのうち5分の1強は大学院生であって若手研究者を多く抱えている。若手研究者育成の観点からも、最終報告書に向けたデータ分析・論文執筆について、9つのテーマ別研究班の中で指導、議論を進めていく。 さらに、若年パネルと中高年パネルの実施も計画し、最終年度もデータ蓄積を試みる。特に、社会階層を人口変動からみる本事業の研究視点から、「国勢調査」「国民生活基礎調査」「家計調査」「全国消費実態調査」といった政府統計データを目的外利用申請して分析の上、本調査データ結果とも関連させて日本の階層構造の実態を明らかにする。
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