研究実績の概要 |
平成29年度に実施した事業は大きく2つある。1つは、2015年「社会階層と社会移動に関する全国調査」(以降、SSM調査)を用いた研究業績の取りまとめに向けた一連の研究会の開催である。2つは、2種類のパネル調査研究の実施である。研究会は4月の職業経歴データの分析方法に関するワークショップを皮切りに、6月と12月に全体会議、7月から8月にかけて9つの研究班ごとの研究会を開催した。2018年2月には、最終全体会議を2日間にわたって開催した。また、SSM調査と関わり、日本の階層研究に大きな影響を及ぼしたストックホルム大学名誉教授のRobert Erikson氏とUCLA名誉教授のDonald Treiman氏を招聘して、国際シンポジウムと若手研究者を主にワークショップを開催した。その結果、研究業績として122本の報告論文が提出され、研究会ホームページ(http://www.l.u-tokyo.ac.jp/2015SSM-PJ/report.html)に公開した。 第2に、「働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査」(若年パネル)と「中高年者の生活実態に関する継続調査」(中高年パネル)を実施した。若年パネルについては、2017年4月から6月、第11回調査と第7回の追跡調査をあわせて実施し、回収率はそれぞれ、82.8%(2,731ケース)と69.2%(624ケース)であった(http://csrda.iss.u-tokyo.ac.jp/panel/PR/17PressRelease.pdf)。さらに、2018年1月から3月にかけて、第12回若年パネル調査と第8回追跡調査を実施し、回収率はそれぞれ80.7%と63.6%であった。第5回中高年パネル調査については2,559人に調査票を発送し、2,239人から回答を得た(回収率87.5%)。欠票320名のうち、約1割の30人は死亡であった。
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