研究課題/領域番号 |
25220004
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研究種目 |
基盤研究(S)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石黒 浩 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (10232282)
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研究分担者 |
平田 勝弘 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00403139)
小川 浩平 大阪大学, コミュニケーションデザインセンター, 助教 (10586027)
開 一夫 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (30323455)
石井 カルロス寿憲 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 知能ロボティックス研究所, 音環境知能研究室室長 (30418529)
吉川 雄一郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (60418530)
岩井 儀雄 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70294163)
西尾 修一 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 石黒浩特別研究所, 主任研究員 (80418532)
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研究期間 (年度) |
2013-05-31 – 2018-03-31
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キーワード | 知能ロボット / ヒューマン・ロボットインタラクション / 陪席ロボット / 遠隔対話 |
研究概要 |
以下の3つの研究課題について研究に取り組んだ. 一つ目は,人と多様な相互作用が可能なアンドロイドの開発である.リニア電磁アクチュエータの出力を向上させるための工夫に取り組むと共に,それを複数用いて,遠隔操作型アンドロイドの上半身の基本設計に取り組んだ.また同時に,よりダイナミックな動きが可能な空気アクチュエータを持ちいた,成人型アンドロイドの試作を行った.このアンドロイドは,従来のアンドロイドのようにシリコンの外装は持たない.その代わりに運動性能を最大限に引き出せるような設計を行っている.まずは,空気アクチュエータを用いて,全身のアンドロイドを構成し,全身の運動機構を確認すると共に,その全身アンドロイドのアクチュエータを後にリニア電磁アクチュエータに置き換え,より制御性がよく,運動性能が高いアンドロイドを実現する. 二つ目は社会的場面の対話モデルの研究である.昨年度は特に,演劇の手法をもとに,社会的シーンを再現し,そこで用いられている様々なルールの抽出を試みた.具体的には連携研究者の平田オリザ氏の演出と理論(現代口語理論)により,非常にリアルな社会的場面を作り出し,そこで,役者の動きをモーションキャプチャを用いて正確に計測し,社会的対話におけるルール(発話のタイミングや腕や首の使い方など)を抽出した.また,小型ロボットを用いてテーブル上で社会的対話場面を再現する研究にも取り組んだ. 三つ目は,実社会におけるアンドロイドの社会参加の実現である.この研究課題については,デパートという現実の環境で,タブレットコンピュータを用いて,対話サービスを行うアンドロイドを開発し,訪問者の反応を記録すると共に,その対話内容を分析した.また,次年度に向けて,三者からなる社会的状況において対話を可能とするシステムの準備に取り組んだ.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度では,今後の研究のプラットフォームとなる,空気アクチュエータを用いた全身アンドロイドの開発と,最終年度までに完成させるアンドロイドの重要なコンポーネントである,リニア電磁アクチュエータの開発と,それを用いたアンドロイドの基本設計を目指していたが,順調に研究は進んでおり,本格的に,本研究の目的である,社会的状況において容易に遠隔操作し,操作者が,アンドロイドの体を用いて,その社会的状況に自然に適応できる技術の開発に本格的に取り組む準備ができた. 一方で,遠隔操作機能そのものの開発や,社会的状況における自然な反射行動等の実装は,ロボットシステムの完成を待ったために,研究開発は進めているものの,十分満足できるレベルには到達していない.今後は試作したアンドロイドを用いて研究を加速していく.
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今後の研究の推進方策 |
おおむね順調に研究は進んでいる.今後はブレインマシンインターフェスなど,脳情報を用いた遠隔操作システムの基礎技術の確立に向けていっそう力を入れていく.
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