研究課題
スマトラ島での調査と実測に基づいて、プランテーションにおけるバイオマス残滓循環利用のためのバイオマス加工工程および残渣の処理・リサイクルプロセスの解析・評価、バイオマス残渣リサイクルの効果と環境負荷低減の評価を行い、バイオマス残渣の施用と栽培管理による作物収量向上方策に関する研究を実施し、バイオマス残渣施用の最適化のための予測モデルの開発に取り組んできた。その結果、1)試験区における3作目のキャッサバ栽培において、不耕起+草生が耕起+除草剤と同様の生産量を示し、不耕起+草生における土壌パラメータ(炭素、窒素、微生物とミミズのバイオマス、物理性)が最良となる一方で、大規模農業で採用されている不耕起+除草剤の管理は土壌の改善と生産量の増大にはつながらないことが明らかとなった。2)土壌の保全的管理は土壌微生物のバイオマスの増加に加えて、硝酸態窒素に比べてアンモニア態窒素が増加して植物による窒素利用効率が高まっていた。一次生産の増加は、土壌への炭素インプットを増やすことで土壌炭素量を増加させ、土壌の持つ機能の改善に繋がっていた。3)キャッサバ加工工程のバイオマス残渣(オンゴック)の飼料化として肉牛肥育を行い、そのふん尿の堆肥化によるキャッサバ栽培への施用、加工排水のメタン発酵によるエネルギー回収と処理水の液肥化について、炭素・窒素に着目した元素フローを分析した。4)パーム製油工程についてはヤシ空果房と工程排水を併用したメタン発酵および堆肥化、さらに発酵廃液の液肥を兼ねた灌漑用水としての利用効果を物質収支の観点から明らかにしてきた。これらの成果から、土壌中への顕著な有機物の蓄積と作物単収の向上を実現するには、利用可能有機物量が不足しており、燃料等として有機物残渣をプランテーション外に持ち出す余力が無いことが明らかになった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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