研究課題
本研究は、極端気象の多発時代において、ユーラシア内陸部にある乾燥地特有の4種類の災害(干ばつ、ゾド(寒雪害)、砂塵嵐、砂漠化)を発生機構と時間スケールから関係づけ、それらへの対応を体系化することを目的とする。ここで、災害リスク=気候ハザードの規模x自然-社会システムの脆弱性という枠組みでとらえる。1.本研究の成果の紹介が、“Climate Hazard Crises in Asian Societies and Environments”という書籍に招待論文として掲載された。ここで、干ばつやゾドのメモリ効果がダスト発生、社会経済活動や人間の健康にまで及ぶこと、「乾燥地のハザード→災害」のメカニズムをはじめて解明したことを指摘した。2.1999-2014年のゾド発生における気候ハザードと社会経済的脆弱性の貢献度を解析した結果、両要因がおよそ同程度ゾド発生に関与していることが解明された。3.昨年度、試験的に作成したゾドリスクマップを海外共同研究者(気象水文環境情報・研究所)と改良し、緊急事態管理庁がゾド対策に利用した。さらに、われわれはゾドリスクマップを含む早期警戒システムを試行した。このなかで、タイムラインを作成し、災害緩和のためにできるだけ早い時期にガイドラインや勧告を提供している。4.研究進捗評価で今後の課題として取り組むことが期待された「モンゴルにおける成果の他のユーラシア乾燥地への展開」については、3で構築したシステムを他地域に応用した。すなわち、内モンゴル師範大学・モンゴル高原災害主要研究所と共同で、ダスト・野火ハザードの早期警戒システムについて基礎研究の成果をすでに発表しているほか、アルファラビ・カザフスタン国立大学とは、「当該国の気候ハザードの早期警戒システム構築」に関わる当該国による国際共同研究プロジェクトを立ち上げた。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 6件、 招待講演 7件) 図書 (2件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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