研究実績の概要 |
H28年度, 代表者のNICTグループ(仙場; 吉原,布施:連携)では、超伝導人工原子・マイクロ波電磁場(LC共振器)結合系に於いて、世界に先駆けて相互作用エネルギーが結合系の最大エネルギーである深強結合(DSC)を実現し、透過スペクトル測定に成功した[1]. 遷移スペクトルに現れた選択則は、シュレディンガー猫状態のような「もつれた基底状態」を強く示唆するもので、従来の強結合系とは全く異なるDSC特有の現象が初めて観測された. 京大グループ(水落:分担)では、他の量子系との量子結合(相互作用)の増強を図るために、N-V軸を結晶軸に対し、1つの方向のみに揃えたダイヤモンド中の集団電子(NV)スピンのコヒーレンスの改良に取り組んだ.NTTグループ(齊藤,角柳,松崎:連携)では、マイクロ波共振器と結合した約4500個の超伝導磁束量子ビットを作製し、集団増強効果を含んだ透過スペクトル測定と解析に成功した[2]. 光と物質の強結合を中心的なテーマとした 国際会議 IWQD2017:International Workshop on Strong Light-Matter Interactions in cavity & circuit QED systems in the Light of Quantum Technology を H29年3月6~8日に連携研究者 根本の所属する国立情報学研究所(NII)で開催した. [1] F. Yoshihara, T. Fuse et al., Nature Physics 13, 44(2017), H28年10月11日 報道発表「光子と人工原子から成る安定な分子状態を発見」を行い、日刊工業新聞他3紙に掲載された. [2] K. Kakuyanagi et al., Phys. Rev. Lett. 117, 210503 (2016).
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