研究課題
本研究の期間を含むカムランド禅実験の全データの解析を行い136Xe核の0νββの崩壊半減期に対して>1.07×10^26年を与えた。これは世界のどの探索実験をも凌ぐ厳しい制限である。この結果は学術雑誌に掲載され、申請者によりニュートリノ物理国際会議(Neutrino2016、ロンドン)で発表され注目を浴びた。また本研究計画で克服すべき4種のバックグラウンド(110mAg, 214Bi, 10C, 136Xe2νββ)の内、支配的であった110mAgが液体シンチレータおよびキセノンの蒸留純化によりほぼ完全に消滅し、その他のバックグラウンドについても定量的な解明に成功した。これにより本計画で行う新型ミニバルーンの導入が実現すればマヨラナニュートリノ有効質量の逆階層領域に初めて踏み込む超高感度の探索が可能になることが明らかとなった。以上の解析上の成果に加え、ハードウェア面では懸案であった外水槽チェレンコフ検出器の光センサー(旧カミオカンデ実験の20インチ光電子増倍管(PMT))の撤去と新型20インチPMTへのとりかえ、そして赤道部の感度向上を施した一連の再建作業が終了し、宇宙線ミュー粒子の検出感度が大きく向上した。引き続き新型ミニバルーン(2倍の体積でよりクリーンな)のカムランド検出器への投入、設置を予定通り行った。しかし残念ながらキセノン導入直前にミニバルーンにリークがあることが判明し、これを検出器から回収撤去しリーク箇所を精査し、トラブルの主たる原因が溶着方法(加熱方法)であることを突き止め改善策を検討した。一方データ解析の結果、新型ミニバルーンの清浄度が以前に比べ3倍向上したことが確認された。これをふまえ新型ミニバルーンの再製作を行うことを決断し、本計画を終了させるとともに、新規採択された基盤研究A(平成29~32年度)として研究を進めることを決定した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Physical Review Letters
巻: 117 ページ: 082503-1~6
10.1103/PhysRevLett.117.082503
http://www.awa.tohoku.ac.jp/kamland/?cat=19