研究課題/領域番号 |
25220901
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮本 明 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (50093076)
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研究分担者 |
畠山 望 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 准教授 (50312666)
鈴木 愛 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 助教 (40463781)
三浦 隆治 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 助教 (00570897)
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研究期間 (年度) |
2013-05-31 – 2018-03-31
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キーワード | トライボロジー / シミュレーション工学 / 表面・界面物性 |
研究実績の概要 |
量子論に基づいてミクロとメソ、マクロをつなぐ「マルチレベルトライボロジーシミュレータ」を世界に先駆けて開発してきたが、最近はトライボロジー分野の機器分析、計測試験方法が飛躍的に進歩している。しかしながら実験の進捗が計算へ十分には反映されず、また一方で理論・計算の進捗も実験へは十分に反映されないなど、協奏・シナジー効果が十分に発揮されてこなかった。そこで本研究では、これまで個別に進められてきた実験的手法と理論的・計算化学的な手法とを融合した実験融合マルチレベル計算化学手法を、トライボロジー分野において世界に先駆けて実現し、次世代自動車・医療機器など社会の期待が大きい分野に応用することで、その有効性を実証する。さらに実験・計測そのものをマルチレベルでリアルにシミュレーションするシームレスコンピュータの開発と合わせて、トライボロジーに係る研究開発手法を飛躍的に革新する。 1.実験トライボロジーで現れる実構造・本物構造のコンピュータモデリング手法の開発:リアルな原子レベルでのモデリングを実現するために、平成26年度はSTM、AFM、SEM、SFG(和周波発生)分光、発行スペクトル、トライボエミッションの各シミュレータを開発した。 2.実構造・本物構造モデルからのトライボロジー物性の理論的予測手法の開発:摩擦環境下での特に高圧粘性の計算手法を確立するため、平成26年度は実験的に用いられている落球粘度(Falling-ball)方を原子レベルで液体の粘性係数予測に活用した手法をもとに、複雑多成分系での粘性係数の予測手法を開発した。 3.原子レベルからの積み上げによるトライボ計測・トライボ試験結果予測手法の開発:実際のトライボロジー挙動を的確にシミュレートするため、平成26年度はピンオンディスク、リングオンディスク、転がり摩擦試験、およびボール通し試験シミュレータを開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
年度当初に計画していた達成項目をすべて実施できたのみならず、各種製造業企業との共同研究への応用を通じてより高性能なシミュレーション手法に発展できたため。
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今後の研究の推進方策 |
年度計画にしたがって実施していくが、進捗度に応じて、可能なものは年度内に前倒しして研究を進める。
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