研究課題
量子論に基づいてミクロとメソ、マクロを繋ぐ「マルチレベルトライボロジーシミュレータ」を世界に先駆けて開発してきたが、最近はトライボロジー分野の機器分析、計測試験方法が飛躍的に進歩しており、実験の進歩と理論・計算の進歩がなかなか相互に反映されず、十分な協奏・シナジーが発揮されて来なかった。そこで本研究では、これまで別々に進められてきた実験的手法と理論的・計算化学的な手法を融合した「実験融合マルチレベル計算化学手法」を、これも世界に先駆けてトライボロジー分野において実現し、次世代自動車、医療機器などの社会の期待が大きい技術に応用して、その有用性を実証する。さらに実験・計測そのものをマルチレベルでリアルにシミュレーションするシームレスシミュレータの開発と合わせて、トライボロジーにかかわる研究開発手法を飛躍的に革新する。1.実験的な構造解析で使用される各種トライボロジー計測手法と、超高速化量子分子動力学法に基づくマルチスケール・マルチフィジックス手法を併用することで、実構造・本物構造のモデリング手法を実現するとともに、各種トライボロジー物性の理論予測手法を開発し、多様な例で活用を進めた。2.原子レベルからの積み上げによるトライボ計測・トライボ試験結果予測手法を開発して多くの共同研究で活用するとともに、マルチスケール・マルチフィジックス計算化学手法を用いて各種シミュレータとのリンクを進めた。3.実験研究者との共同を加速するためのヒューマンインターフェイスの開発を進め、シミュレーション結果をもっと実験研究者に理解しやすくなるように工夫した。4.企業を含む国内外の多くの実験研究者との連携を進め、開発シミュレータの有効性の検証と課題抽出を行った。さらに幅広い実験研究者との連携、共同研究を進めており、新たにスノースポーツ分野、原子力分野の企業・大学等との共同も生まれた。
1: 当初の計画以上に進展している
年度当初に計画していた実施項目をすべて達成できたのみならず、各種製造業企業と共同研究への応用を通じてより高性能なシミュレーション手法に発展できたため。
年度計画に従って実施していく。具体的には、5年間の総仕上げを進めるとともに、実験研究者との連携を通して、学術的価値を高める研究を推進する。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件) 学会発表 (59件) (うち国際学会 16件、 招待講演 6件) 備考 (1件)
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