研究課題
本年度は、項目(3)超精密/高効率バルク生産システムおよびその操作法の開発,の仕上げに取り組んだ。これまでに開発した種々のデバイスやその設計法を、グルコース、フルクトースから、ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)を製造するプロセスを対象として検証した。HMFの選択率向上には、HMFを油相に抽出しながら反応を進めることが有効であることから、反応溶液(水相)と抽出液(油相)のスラグ流を用いたプロセスを構築し、最適な条件ではグルコースから76 mol%と従来にないHMF収率を得ることに成功した。また、逆抽出に向流接触型の膜型抽出器を用いることで約90%のHMFを連続的に回収することができた。スラグ流反応器はミリサイズでもその特性を十分に発揮することが可能であり、多流路化についても障壁が小さい。以上より、開発したマイクロデバイスとその設計・操作論が低炭素型高付加価値化学産業に広く適用できることを実証した。また、昨年度までに提案したデバイス設計法が広範囲に適用可能であることを、アミノ酸の前駆体であるN-tert-ブチルアセトアミドを合成するRitter反応を対象として検証した。まず、反応条件を最適化し、次にCFDシミュレーションを用いて1流路の解析・設計を行い、その結果に基づいて49流路を並列化した内部ナンバリングアップ(I-NU)デバイスを開発した。このデバイスをプロセスの状態推定・制御が可能な分割再結合式流体分配デバイスと接続し、30分間の安定操作を確認すると共に、15.5 g/minの製品を得ることに成功した。25基のI-NUデバイスを外部ナンバリングアップしたユニットの連続運転により204 t/yの生産、さらにユニット数を50まで増やすと1万t/yを超える生産に対応可能である。以上より、開発した設計・操作法が少量生産から大量生産まで広く適用可能なことを実証した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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