塩分負荷が生体に与える影響について、WNKシグナル伝達系を糸口に研究を行った。WNKシグナル系自体が新規の制御系であり、まずは各臓器での役割を解明し、制御機構の解明、下流標的分子の同定を試みた。その結果、WNKシグナルは腎臓での塩出納以外に血管平滑筋のトーヌス調節を介した血圧調整、また脂肪細胞・筋細胞の分化、免疫系のシグナル制御など多岐にわたる重要な役割を果たす事が判明した。またその新規制御メカニズムも解明し、塩分負荷時や腎障害時にどのようにその制御機構が破綻し病態を形成するかを明らかにした。また独自の化合物スクリーニング系を確立し、シグナル制御薬のシーズを得て、病態への介入への道筋もつけた。
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