研究概要 |
マウスの片側大脳皮質の挫傷、脊髄損傷および局所脳脊髄炎(EAE)における、様々な細胞群の空間的・時間的な変動と遺伝子発現について解析を進めた。オリゴデンドロサイト、ミクログリア(M1, M2)、マクロファージ(M1, M2)、helper T細胞(Th1, Th2, Th17, Tregなど)、新生血管細胞(CD105陽性細胞)などの挙動を、FACSを用いて解析し、結果を得た。また中枢神経回路の損傷および修復の過程で、免疫系細胞がどのような役割を担っているかを明らかにしている。免疫系細胞としては、helper T細胞、ミクログリア、マクロファージの関与について検証する。具体的には①helper T細胞による神経回路の修復機構、②ミクログリアによる神経回路の障害と修復機構、そして③マクロファージによる神経回路の障害機構について明らかにすることを目的として、研究を進めている。さらに、本研究では、神経回路の修復の場面で新生血管が担う役割を明らかにすることを目的としている。神経回路の修復を促す脈管系細胞由来の因子による髄鞘の再形成への関与について研究を進めており、その分子メカニズムの一端を解明した。
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