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2013 年度 実績報告書

骨代謝を制御するWntシグナルネットワークの解明

研究課題

研究課題/領域番号 25221310
研究機関松本歯科大学

研究代表者

高橋 直之  松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (90119222)

研究分担者 小林 泰浩  松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (20264252)
中村 浩彰  松本歯科大学, 歯学部, 教授 (50227930)
田口 明  松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70243582)
宇田川 信之  松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
研究期間 (年度) 2013-05-31 – 2016-03-31
キーワード破骨細胞 / 骨芽細胞 / Wnt / RANKL / OPG
研究実績の概要

(1) 骨芽細胞におけるRykシグナルの解明:Ryk-floxedマウスと骨芽細胞特異的にCreを発現するOsterix-Cre Tgマウスを交配させ、骨芽細胞特異的Ryk欠損(Ob-Ryk-cKO)マウスを作製した。Ob-Ryk-cKOマウスの骨組織を現在解析中である。(2) 破骨細胞におけるRor2シグナルの解明:Ror2-floxedマウスとカテプシンK-Creマウスと掛け合わせて、破骨細胞特異的Ror2欠損 (Oc-Ror2-cKO)マウスを作製した。Oc-Ror2-cKO)マウスは正常に生まれてきたが、骨組織に異常があると判断された、そのため、骨組織を詳細に解析しているところである。(3) 破骨細胞が分泌するWntの同定:リアルタイムPCR法で破骨細胞の発現するWntを解析した。骨髄マクロファージから破骨細胞への分化に伴いWnt5aの発現が急上昇することを見出した。破骨細胞が産生するWnt5a の骨作用を解析中である。(4) 破骨細胞が分泌するSclerostin抑制因子の解析:骨吸収亢進マウスであるOPG-KO マウスとRANKL強発現(RANKL-Tg) マウスのSclerostin の発現を解析したところ、骨細胞のSclerostin発現が抑制されていることを見出した。(5) OPG-欠損マウスとRANKL-Tgマウス解析: 骨吸収が著しく亢進したOPG-KOマウスとRANKL-Tgマウスの歯槽骨を解析した。骨細胞の産生するOPGが、歯槽骨の防御に重要な役割を演じていることが示された。(6) Wntシグナル分子を標的とした治療:新規骨形成薬を探索する過程で、TNF受容体を模倣したW9ペプチドが骨形成を促進することを見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究ではWntシグナルは互いに連関して骨代謝を調節していることを示すことを目的とした。これまでの研究で、(1)骨芽細胞におけるRykシグナルが重要であることを明らかにできた。(2)破骨細胞がWnt5aを産生することを明らかにした。(4)破骨細胞は骨細胞が分泌するWnt抑制因子スクレロスチンの産生を抑制することを認めた。以上のように骨代謝を調節するWntシグナルの全容がかなり明らかにすることができたと思う。

今後の研究の推進方策

これまでの研究で、(1)骨芽細胞におけるRykシグナルが重要であることを明らかにできた。今後Rykシグナルの機序を解明する。(2)破骨細胞が分泌するWnt5aの骨作用を明らかにする。(4)破骨細胞が分泌し骨細胞に作用するスクレロスチン分泌抑制因子を明らかにする。(5) OPG-欠損マウスとRANKL-Tgマウス解析より、骨細胞の産生するOPGが、歯周病における骨吸収抑制に重要であることが判明した。そこでOPG産生促進薬剤を歯周病治療薬になる可能性を追求する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] IL-34 and CSF-1: similarities and differences.2014

    • 著者名/発表者名
      Nakamichi Y, Udagawa N, Takahashi N: IL-34 and CSF-1
    • 雑誌名

      J Bone Miner Metab

      巻: 31 ページ: 486-495

    • DOI

      10.1007/s00774-013-0476-3

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Roles of Wnt signals in bone resorption during physiological and pathological states.2013

    • 著者名/発表者名
      Maeda K, Takahashi N, Kobayashi Y
    • 雑誌名

      J Mol Med

      巻: 91 ページ: 15-23

    • DOI

      10.1007/s00109-012-0974-0

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Mechanism of inhibitory action of Eldecalcitol, an active vitamin D analog, on bone resorption in vivo.2013

    • 著者名/発表者名
      Takahashi N
    • 雑誌名

      J Steroid Biochem Mol Biol

      巻: 136 ページ: 171-174

    • DOI

      pii: S0960-0760(12)00243-9

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Osteoprotegerin-deficient male mice as a model for severe alveolar bone loss: comparison with RANKL-overexpressing transgenic male mice.2013

    • 著者名/発表者名
      Koide M, Kobayashi Y, Ninomiya T, Nakamura M, Yasuda H, Arai Y, Okahashi N, Yoshinari N, Takahashi N, Udagawa N
    • 雑誌名

      Endocrinology

      巻: 154 ページ: 773-782

    • DOI

      10.1210/en.2012-1928

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Roles of cathelicidin-related antimicrobial peptide in murine osteoclastogenesis.2013

    • 著者名/発表者名
      Horibe K; Nakamichi Y; Uehara S; Nakamura M; Koide M; Kobayashi Y, Takahashi N, Udagawa N
    • 雑誌名

      Immunology

      巻: 140 ページ: 344-351

    • DOI

      10.1111/imm.12146

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 骨芽細胞と破骨細胞、そして力の関係2013

    • 著者名/発表者名
      高橋直之
    • 学会等名
      Dentistry、Quo Vadis?
    • 発表場所
      星陵会館 千代田区永田町
    • 年月日
      2013-12-07
    • 招待講演
  • [学会発表] 破骨細胞の分化と機能を調節するRANKL-RANK シグナル2013

    • 著者名/発表者名
      高橋直之
    • 学会等名
      城北骨代謝フォーラム
    • 発表場所
      ホテルグランドシティー 豊島区東池袋
    • 年月日
      2013-10-29
    • 招待講演

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公開日: 2016-06-01  

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