研究課題/領域番号 |
25240003
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
竹田 正幸 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (50216909)
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研究分担者 |
定兼 邦彦 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 教授 (20323090)
坂本 比呂志 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (50315123)
瀧本 英二 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (50236395)
坂内 英夫 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (20323644)
稲永 俊介 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (60448404)
喜田 拓也 北海道大学, 情報科学研究科, 准教授 (70343316)
畑埜 晃平 九州大学, 附属図書館, 准教授 (60404026)
井 智弘 九州工業大学, 学内共同利用施設等, 特任助教 (20773360)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 情報爆縮 / 圧縮データ処理 / アルゴリズム / データ圧縮 / 簡潔データ構造 |
研究実績の概要 |
情報爆発時代が到来し、機械可能なデータが増加の一途を辿っている。多くの機関や企業にとって、増え続けるデータをデータベース(DB)に格納し管理することは、費用対効果の面から事実上不可能である。そこで、より低コストでデータを格納・管理・検索・解析することのできる新しいタイプの情報システムを可能とする基盤技術の開発が、喫緊の課題となっている。本研究では、膨れ上がるデータを爆発的に凝縮することにより「データ量削減」「データ処理の高速化」「知識獲得」の3つを同時に達成することの可能な情報爆縮基盤技術を確立し、新世代情報システムの実現を目指す。このために、次の3つの研究項目をおいて研究を行なう。これらは互いに関連が深いため、研究成果を相互に活用しながら研究開発を遂行する。(A)高圧縮率データ圧縮アルゴリズム. (B)圧縮データ上の高速データ処理アルゴリズム.(C) 大規模圧縮データ解析手法. 平成28年度は、(A)(B)(C)の各々について精力的に研究を進め数多くの成果を得た。とくに,Signature Encodingという一種の文法圧縮に着目し,これを用いた動的圧縮LCEデータ構造の研究開発を,世界に先駆けて行うことができた.さらに,この成果をもとにした動的圧縮索引の手法を開発することに成功した。一方、Lyndon文字列をはじめとする文字列の代数的・組合せ的性質について研究を進め深い知見を得ている。この知見は(A)(B)(C)に共通して効率化に大きく役立つものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
昨年度に続き基礎的研究に重点を置いたが、予想を上回る数の研究成果が生まれ、多数の国際雑誌論文/国際会議論文として発表することができた。また、現在投稿準備中のものも多い。中でも,世界に先駆けておこなった動的圧縮データ構造および動的圧縮索引に関する研究は,優れた研究成果といえる。また,Lyndon文字列に関わる組み合わせ的性質を明らかにし,様々なデータ処理を高速化するための前処理として用いられてきたLZ77分解の代わりに,より軽量な前処理としてLyndon分解を用いることの可能性を示すことができた。このように、本研究プロジェクトは当初の計画以上にうまく進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本プロジェクトは4年目まで非常に順調に進行してきている。最終年度は,これまでに開発した情報爆縮基盤技術をブラッシュアップする。特に、圧縮データシステムのカギとなる動的/静的圧縮索引構造について、技術の実用化に力を注ぐ。また、圧縮データ上の解析機能の充実を図るため、圧縮データ上で動作するデータ解析機能の整備を行う。
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