研究課題/領域番号 |
25240005
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
岩崎 学 成蹊大学, 理工学部, 教授 (40255948)
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研究分担者 |
阿部 貴行 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10594856)
黒木 学 統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (60334512)
水田 正弘 北海道大学, 学内共同利用施設等, 教授 (70174026)
橋本 昭彦 国立教育政策研究所, その他部局等, 研究員 (80189480)
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研究期間 (年度) |
2013-10-21 – 2017-03-31
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キーワード | 多種多様なデータ / 欠測データ / 統計的因果推論 / 教育の質保証 / ビッグデータ |
研究実績の概要 |
本研究グループでは,「評価」をキーワードに,各分野の研究者の掲げる研究テーマの理論的な成果の達成と,研究成果の社会への還元を目的としている. 研究期間3年目の平成27年度には,次に述べる研究集会を諸機関と共同開催もしくは協賛として実施に協力した:「発見的情報表現および情報縮約とその計算に関する研究」「クラウド環境における高性能統計計算」共同開催.於:北海道大学情報基盤センター (2015.12.7),「International Workshop on Causal Inference」於:統計数理研究所 (2016.1.6-7),「統計教育の方法論ワークショップ」「日本統計学会春季集会」於:東北大学 (2016.4.4-5). また,米国シアトルでのJoint Statistical Meetings (JSM),オランダ・ユトレヒトでのAnnual Conference of the International Society for Clinical Biostatistics (ISCB) などの複数の国際学会,国際会議において代表者及び分担者が研究成果を発表した.それ以外にも国内での諸学会及び研究集会にて多くの口頭発表を行っている.諸外国における研究の現状調査も適宜実施した.さらに,研究成果を学術論文としても公表している(後述の一覧表を参照). 研究成果の社会への還元という意味では,本研究テーマの研究成果をまとめる形で,代表者及び分担者による著書:岩崎 学 (2015) 統計的因果推論(朝倉書店),阿部貴行 (2016) 欠測データの統計解析(朝倉書店)を刊行することができた.さらに別の書籍を執筆中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究組織は,「評価」をその機軸に据え,医薬,教育,品質管理,公共政策,情報などの研究者が,互いに協力する形での研究の推進を目指している.研究期間3年目の平成27年度は,(a) 国内外における研究集会やシンポジウムへの積極的な参画,(b) 「統計検定」などとのタイアップ,(c) 研究成果の社会還元,を中心に活動するとしていた. 上記 (a) に関しては,「研究成果の概要」に記したように,いくつかの研究集会などを共催,協賛するとともに,海外からの研究者の招聘,国内外での研究集会などでの研究発表を積極的に行った.(b) に関しては,事業の性格上公表できない部分においても,その実施に協力してきた.(c) に関しては,2冊の著書の公刊をはじめ,一般市民などに対する教育的な講演などを行った.また,代表者の岩崎は,日本統計学会会長および統計関連学会連合理事会理事長として,本研究グループでの研究成果も踏まえたうえで,統計学の普及活動に奔走した. 教育の質保証も本研究グループの主要テーマの一つであるが,これに関して,代表者の岩崎は,旧知であり2016年1月の本研究グループと統計数理研究所の共催のワークショップにも参加されたK. Imai教授の属する米国Princeton大学を1週間訪問し,そこでの学部および大学院教育の実態に触れるとともに,何人かの教員と学部・大学院の学生とのインタビューも行った.この経験は,今後の統計教育の質保証を推進する意味からも極めて有用な情報となる. 研究成果の公開のためホームページ (www.kakenhyoka.jp) を立ち上げ,研究成果の公表などに努めているが,これをさらに充実させ,研究成果の社会還元を推進したいと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は,本研究課題の最終年度であり,研究をさらに進めると同時に,これまでの研究成果の公表に力を注ぎ,本研究課題終了後の研究の継続にもつなげる活動を行う. 分担者の橋本と代表者の岩崎を中心に,海外からの参加者を得て,教育評価に関する国際ワークショップを開催する.橋本は,これまで3年間の本研究課題の活動において国内外の研究者との関係構築ができたことから,彼らを招いてのワークショップとする.また,分担者の黒木と岩崎も,昨年度の因果推論ワークショップに引き続き,同テーマでのワークショップの開催を計画している.分担者の阿部は,本研究課題の研究費によって知己を得た米国ミネソタ大学の研究者を招いてのシンポジウムを開催し,分担者の水田も昨年度に引き続きビッグデータ関連のシンポジウムを開催する予定である. 国内外での研究発表も予定されていて,4月にはすでに岩崎は共同研究者と共に,英国で開催されたUK Causal Inference Meetingにて研究発表を行った.8月に米国シカゴで開催されるJoint Statistical Meetings (JSM) ではすでに論文が受理され,研究発表することが確定している.その他にも,6月の香港でのIMS Asia Pacific Rim Meeting,12月に上海で開催のInternational Chinese Associationへの参加が予定されている.国内では,統計関連学会連合大会,日本計算機統計学会,日本行動計量学会などの諸学会で研究発表予定である. 著書も,教育の質保証に関連してのテキストの執筆及び欠測データに関する書籍の執筆などが進行中で,平成28年度中に脱稿の予定である.ホームページ (www.kakenhyoka.jp) もさらに充実させ,研究成果の社会還元を加速させたい.
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