研究課題/領域番号 |
25240009
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
胡 振江 国立情報学研究所, アーキテクチャ科学研究系, 教授 (50292769)
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研究分担者 |
加藤 弘之 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 助教 (10321580)
中野 圭介 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (30505839)
日高 宗一郎 国立情報学研究所, アーキテクチャ科学研究系, 助教 (70321578)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 双方向変換 / 双方向変換言語 / グラフ変換 / データ同期 / ソフトウェア共進化 / ソフトウェア自己適応 |
研究実績の概要 |
昨年の成果をベースに、実用に耐えうる双方向変換のための双方向変換言語の効率的な実装を中心に、領域特有言語の双方向化、双方向変換による自己適応システムのモヂュール化、双方向変換のソフトウエア工学への応用を行い、次の成果を得た。 1. 双方向変換言語のRoundtripの検証:昨年実装した双方向変換言語BiFluxの双方向的振舞を完全に検証するため、core言語 BiGUL を設計し効率的に実現した。これによりBiFluxを十分定義でき、更に定理証明器Agdaの検証により、BiGULで記述される双方向変換はRoundtrip性質が保証される。また、グラフ構造に対する双方向変換プログラムに対し、より一般的な形式的検証の前段階として、定理証明支援系である Coq を用い、木構造データの変換を形式的モデルである木トランスデューサで定義し、基本的な定理に対し証明を進めた。 2.双方向化:グラフ変換の双方向化にあたりトレース情報の管理はスケーラビリティ達成の鍵の一つとなる。本年は、従来ノード毎に格納され変換段数増加に伴い空間計算量を増やしていたトレース情報について、言語設計段階でソースターゲット間マップに移行させ、順変換が複数合成されている場合の更新の影響範囲の明確化に繋げた。また、BiGULを用いてより強力な双方向変換システムの構築に成功した。 3. グラフ問合せの効率化:特殊なグラフ(木構造)を対象に与えられた構造(木パターン)を満たすような結果をある順番でソートするような問合せの最適化に取り組んだ。全てのノードをソートして出力する問合せを用意し、そこに木パターンから抽出した条件を埋め込んだ問合せの構成に基づく最適化に取り組み、有効性を確かめた。更に、スキーマ情報を用いて与えられた問合せに対し、より効率的な問合せの構成が可能となる枠組みについて、スキーマのクラスも同定しながら研究を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
Putbackに基づく双方向変換のためのCore言語を正しく効率的に実現できたため、研究は順調に進んでおり、当初の計画より早く応用研究に進むことができるようになった。
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今後の研究の推進方策 |
Putbackに基づいた双方向変換理論に基づく双方向変換言語の効率的で信頼性の高い実装と自己適応システムの開発への応用を中心に研究を進める予定である。
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