研究課題
本研究課題の目的は、意識や内省と呼ばれる心の内部に対する再帰的で能動的なアクセス-認知的メタプロセス-の進化と発達を、広い系統群の動物を対象に分析するとともに、認知的メタプロセスが、知識の不備の解消や思考過程の支援などの自己適応の向上、および他者理解機能にいかに関連しているのかを明らかにすることである。平成27年度には、以下のような事実を明らかにした。1)フサオマキザルを用いて、記憶内容の詳細をメタ認知できるかどうかを検討するための、形と提示位置の複合刺激を用い課題選択つき遅延見本合わせ課題を、遅延時間中に妨害刺激を提示する手法を加味して検討したが、肯定的な結果は得られなかった。この種では、記憶痕跡の強度あるいは明瞭度のメタ認知のみが機能していると考えられるが、課題を変えてさらに検討することが必要かもしれない。2)偶発的記憶の利用可能性を、ネコについては継続し、肯定的な結果を得た。ウマについても比較可能な実験を実施し、予備的には肯定的結果を得ているが、さらに個体数を増やすことが必要である。3)幼児を対象に、将来必要となる情報を選択的にあらかじめ手に入れておく行動が出現するか否かを検討し、5歳児ないし6歳児にはこれが可能であるが、発達的変化も見られることを明らかにした。4)イヌは他者間のやり取りを傍受して、飼い主に非協力的な演技者を嫌うことが示されているが、飼い主ではなく、飼い主に非協力的な演技者に対して非協力的な演技者では、このような回避行動は見られないことを予備的に示しつつある。5)より基礎的な資料として、ハトは運動視差の違いで表示される奥行き感による回廊錯視を知覚することを示した。6)複数人物が一致して間違った物体を指示する場面と1人の人物が正しい物体を指示する場面で、日本の幼児は前者の物体を選択するが、ドイツの幼児は後者の指示する物体を選択することを示した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (28件) (うち国際共著 2件、 査読あり 21件、 謝辞記載あり 20件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件、 招待講演 8件) 図書 (3件) 備考 (3件)
Animal Cognition
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