研究課題
本研究では,表現豊かな音声合成システムの忠実な実現を目指して,本を読み聞かせるシステム:Digital Story Teller Systemの構築を行った。本年度は最終年度であるため,過去3年間に実施した内容も考慮の上,以下に示す研究を実施した。1.生成モデル: 昨年度提案した三層構造の音声変形システムをデモシステムとして用い,表現豊から物語朗読音声の合成を試みた。合成音は,感情カテゴリの情報を確実に伝えるものであったが,一部の発話スタイルにおいて,意図した程度の感情よりも弱い印象を与える合成音声となるものがあった。これは,スペクトルのダイナミックス記述にまだ問題が残っていることを示唆している。この記述法の改善は今後の課題である。また,より生理学的な音声生成機構を模擬したARX-LFモデルによる表現豊かな音声の分析・合成も試みた。感情ごとに声帯振動,声道形状がどのように関わっているかを明らかにできた。2.知覚モデルについては,知覚モデルを表現豊かな音声の客観的評価システムとして用い,生成モデルと合成音の客観的評価により自動で目標の知覚印象に近づくようにモデルパラメータを制御できるシステムの構築を試みた。合成音声の評価値推定は行えることはわかったが,推定時に必要な音声セグメンテーションの自動化に問題があり,このモデルを用いた手動での客観評価は行えるものの,全自動客観評価システム構築までには至らなかった。3.統合システム: ストーリーテラーシステムへの入力,この値にもとづいた合成音声の作成,合成音声の評価値,すべてをV-A空間上での位置情報をもとに表現することで,Story Teller Systemの構築を試みた。そして,デモシステムを構築した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (17件) (うち国際共著 7件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 9件、 謝辞記載あり 11件) 学会発表 (62件) (うち国際学会 34件、 招待講演 6件)
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