研究課題
本年度は「視触覚クローン」すなわち光学的な手法で忠実度の高い3次元リアルタイム空中映像を再現しながら3次元音響エネルギ分布をリアルタイム重畳できるシステムを実現した。従来のテレイグジスタンスでは完全な双方向性の実現が難しかったが、視触覚クローンでは高忠実に再現した空中映像を介して互いの手に触れあうことができる。一方がマスター、他方がスレーブという非対称な構成ではない、完全対称なシステムであり、離れた二者がそのままの姿でインタラクションおよびコミュニケーションできる。また一定の制約のもとで、物体と人間、あるいは物体同士のインタラクションも実現できる。このようなテレイグジスタンスの効果は SIGGRAPH をはじめとした展示会のデモによっても実証することができた。視触覚クローンを実現するための要素技術開発も本年度行われた。まずワークスペースを取り囲むように配置された超音波デバイスによって3次元触覚像をリアルタイムで再現するアルゴリズムを確立した。また触覚提示に伴って可聴音が発生してしまうことが問題となっていたが、従来法に比べて可聴音を抑制できる手法を開発した。さらにテレイグジスタンスの実現だけでなく、空中超音波を用いた触覚刺激によって、視覚を用いずに所定の位置に手を誘導する技術についても検討を行った。誘導刺激の方法として複数のカテゴリを提案し、ある条件下で手の運動を誘導できることを実証した。これらの研究に対し IEEE World Haptics Conference 2015 におけるBest Demo Award をはじめとして複数の学術賞が授与され、視触覚クローンのデモは国内外の多数のメディアで報道された。本研究課題での研究によって、スーパーハプティクスすなわち超音波を活用した非接触でのハプティクス技術の有効性を実証することができた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 6件、 招待講演 4件)
Proc. CHI 2016
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
to be determined
IEEE Transactions on Haptics
巻: vol.9, no. 1 ページ: 90-99
10.1109/TOH.2015.2477839
Proc. EuroHaptics 2016
Proc. 2015 IEEE World Haptics Conference (WHC)
巻: なし ページ: 362-367
10.1109/WHC.2015.7177739