研究課題
本研究は、異なる階層間のモデル群を高度化しながら、氷期サイクル変動に関わる大気-海洋-氷床-固体地球の変動とそれらの相互作用を扱う。次の7つの項目を主に進めた。(1)氷期氷床の不確実性と最新の知見に関する論文をまとめ投稿しGeoscience ModelDevelopment誌から出版された。 (2)大気海洋結合モデルによる氷期と間氷期間の深層海洋循環と気候の解析、その変化のメカニズムを調べるための様々な感度実験の解析を進めさらに論文投稿のための詳細研究を行った。さらに、(3) 大気大循環モデルとオフライン海洋大循環モデルの感度実感の組み合わせにより北米氷床の大きさや範囲の違いが、北大西洋深層循環の強弱にどのような影響を与えるかについて論文投稿した。(4) 引き続き氷期と間氷期間の異なる時代の大気海洋大循環のそれぞれの状態に対して、淡水流入実験を実行解析し、氷期サイクルの海洋循環や気候への影響を調べて論文をScience Advances誌に投稿し査読を経て修正中である。(5)深層海洋循環の変化と急激な気候変動が氷期サイクルの氷床変化に及ぼす影響とその氷床による融け水が海洋と気候に与える影響を調べ、氷期中の急激な気候変化の発現メカニズムに関して論文執筆した。また、南極に関して、(6)氷床・棚氷・海洋大循環モデルを用いて、西南極氷床を氷期サイクルの数値実験に組み込む作業を完成させた。南大洋を詳しくした海洋大循環領域モデルに関して、氷床モデルにocean meltの効果を経験的にいれる方法を論文にまとめた。(7)氷床の加重による地球変形を扱う地球粘弾性モデルと氷床・気候モデルを結合し氷期サイクルを検討した結果に関してまとめて論文執筆を進めた。
2: おおむね順調に進展している
氷期サイクル10万年周期のメカニズムについて出版し早くも47回の引用回数を得たネイチャー誌の論文をステップにして、さらに北半球の氷床や気候応答特性の空間分布理解や、急激な気候変動についての研究を進めた。また、氷期氷床の不確実性と最新の知見に関する論文をGeoscience Model Development誌から出版されした。また、氷期と間氷期間の異なる時代の大気海洋大循環のそれぞれの状態に対して、淡水流入の海洋循環や気候への影響に関する論文を投稿し、査読では非常に良い評価を得て現在修正中である。一方南極氷床については海洋との相互作用についての数値実験の実行と解析が進み、論文投稿するなど順調に研究を進めている。
次の6つの項目を主に進める。 (1)大気海洋結合モデルによる氷期と間氷期間の深層海洋循環と気候の解析について論文を完成させて投稿する。さらに、(2) 大気大循環モデルとオフライン海洋大循環モデルの感度実感の組み合わせにより北米氷床の大きさや範囲の違いが、北大西洋深層循環の強弱にどのような影響を与えるかについて論文出版する。(3) 氷期と間氷期間の異なる時代の大気海洋大循環のそれぞれの状態に対して、淡水流入実験を実行解析し、氷期サイクルの海洋循環や気候の安定性への影響について系統的にまとめる。(4)深層海洋循環の変化と急激な気候変動が氷期サイクルの氷床変化に及ぼす影響とその氷床による融け水が海洋と気候に与える影響を調べ、氷期中の急激な気候変化の発現メカニズムに関して論文出版する。(5)氷期サイクルごとの氷床の形状が大気大循環を通じて大陸間で影響を及ぼしあうことについて論文を出版する。また、南極に関して、(6)氷床・棚氷・海洋大循環モデルを用いて、南極氷床モデルの気候変動における応答特性を調べる。南大洋を詳しくした海洋大循環領域モデルを用いて異なる気候状態における氷床-海洋相互作用について論文出版する。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 8件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 11件、 謝辞記載あり 11件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 10件、 招待講演 4件) 備考 (1件)
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