研究分担者 |
川村 賢二 国立極地研究所, 研究教育系, 准教授 (90431478)
齋藤 冬樹 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 統合的気候変動予測研究分野, 技術研究員 (60396942)
Greve Ralf 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (90374644)
吉森 正和 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (20466874)
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研究実績の概要 |
本研究は、異なる階層間のモデル群を高度化しながら、氷期サイクル変動に関わる大気-海洋-氷床-固体地球の変動とそれらの相互作用を扱う。(1)深層海洋循環の変化と急激な気候変動が氷期サイクルの氷床変化に及ぼす影響とその氷床による融け水が海洋と気候に与える影響を調べ、氷期中の急激な気候変化の発現メカニズムに関して論文投稿し、Science Advances誌に出版した(DomeF members; Kawamura, Abe-Ouchi et al, 2017, Science Advances)。これについて、プレスリリースを出した結果、国内新聞等の他、外国Mediaにも取り上げられた(2017年2月東大AORIホームページ等) 。(2)大気海洋結合モデルによる氷期と間氷期間の深層海洋循環と気候の解析について論文を準備した。さらに、(3) 大気大循環モデルとオフライン海洋大循環モデルの感度実験の組み合わせにより北米氷床の大きさや範囲の違いが、北大西洋深層循環の強弱にどのような影響を与えるかについて論文投稿(SpringerのClimate Dynamics誌, Sherriff-Tadano et al, submitted)し、修正中である。(4) 氷期と間氷期間の異なる時代の大気海洋大循環のそれぞれの状態に対して、淡水流入実験を実行解析し、氷期サイクルの海洋循環や気候の安定性への影響について系統的にまとめた。 (5)氷期サイクルごとの氷床の形状が大気大循環を通じて大陸間で影響を及ぼしあうことについて論文を準備した。また、南極に関して、(6)氷床・棚氷・海洋大循環モデルを用いて、南極氷床モデルの気候変動における応答特性を調べる。南大洋を詳しくした海洋大循環領域モデルを用いて異なる気候状態における氷床-海洋相互作用について論文出版した(Obase et al, 2017, Journal of Climate, 5月号で印刷予定)。
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