研究課題
1)リン堆積域・堆積量解析 ①岡山平野における堆積層の解析によれば、いわゆる完新統(沖積)粘土層中でリンが高濃度で存在することが確認され、8000年前から6000年前までの温暖化時期に陸域から供給されていたことが確認できた。②さらに、2000年前に2次的な生産にともなうものと考えられるピークも確認できた。2)リン濃縮・輸送過程解析 ①岡山平野前面に広がる児島湖におけるコアの解析から1970年ころの陸域からの供給と考えられるリン含有量のピークとともに、表層にもピークが認められ、常に堆積物からの溶出・再生産および再蓄積が繰り返されながら、地表付近に濃縮していることが確認できた。②同様に富栄養湖である八郎湖におけるコアの解析の結果、湖心ではリンの蓄積傾向がみられたものの、干拓地(旧湖底で現湖水面より2m低い地表面)堤防付近ではリンの蓄積が確認できず、湖底から干拓地への地下水流動にともなってリンが輸送され、特に干拓地の現八郎湖に近いエリアでは地下水中のリン濃度も高いことが明らかになった。③岡山平野においても、地下水中でやや高濃度のリンが確認できた。④内陸の沖積平野の河道希望において観測した結果、河川-地下水交流にともなってリンが生産されていることが明らかになった。3)生物生産影響評価 ①沿岸における生物生産に及ぼす堆積物の影響を検討するため、児島湖において生態系モデルで解析した結果、還元条件の進む夏季にリンが生産され、植物プランクトンの生産さらに高次の生物(魚類に至る)にも影響していることが明らかになった。②より富栄養な堆積物が蓄積している大阪湾では、再生産の効果がより大きいことが確認できた。③農業肥料影響評価を行うため、柑橘系果樹園の広く分布する沿岸域で調査を行った結果、淡水性地下水の流出量の多いエリアで溶存無機窒素濃度が高く、アマモ等の藻場も発達している傾向が確認できた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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