研究分担者 |
上田 佳代 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60444717)
岸川 禮子 独立行政法人国立病院機構福岡病院(臨床研究部), その他部局等, 准教授 (50450945)
嵐谷 奎一 産業医科大学, その他部局等, 名誉教授 (10141748)
鵜野 伊津志 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (70142099)
清水 厚 国立研究開発法人国立環境研究所, 地域環境研究センター, 主任研究員 (90332238)
山本 重一 福岡県保健環境研究所, 環境科学部 大気課, 研究員 (60446862)
吉田 成一 大分県立看護科学大学, 看護学部, 准教授 (40360060)
定金 香里 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助教 (20322381)
吉田 安宏 産業医科大学, 医学部, 准教授 (10309958)
三村 達哉 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (70463867)
藤本 正典 福岡市保健環境研究所, その他部局等, 所長 (10646350)
中島 亜矢子 福岡市保健環境研究所, その他部局等, 主任研究員 (90755563)
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研究実績の概要 |
1.小児の呼吸器症状に対する煙霧の影響調査:平成27年5月に福岡市内の小学生を対象とした調査を行い、平成26年の結果と合わせた解析を行った。PM2.5濃度は、呼吸器・アレルギー症状と有意な関連は見られなかったが、PM2.5濃度の増加により、有意にマスク着用が増えることが観察された。 2.呼吸器疾患患者の呼吸器症状に与える煙霧の影響と予防行動調査:福岡市の呼吸器疾患患者の粒子状物質の影響を2010年と2015年を比較した。呼吸器症状、咽喉頭症状、全身症状の頻度が2015年の方が高く、その防護策の頻度も2015年の方が高くなっていた。 3. 黒色微小粒子と微生物成分が肺の炎症とアレルギー炎症に与える影響:微生物毒素のLPSとPM2.5及び土壌ダストの肺のアレルギー増悪における酸化的ストレスと鉄の関与を抗酸化剤の(NAC)と2価鉄のキレート剤(DFO)を用いて調べた結果、これらの粒子のアレルギー増悪系の一部に2価鉄と酸化的ストレスの関与が示唆された。 4.黒色微小粒子と付着する化学成分が免疫担当細胞に及ぼす影響:PM2.5を投与したマウスの脾臓細胞の炎症性サイトカイン(TNF-α)産生は低かった。また粒子付着LPSは、生体反応に影響を与えている一因子であることが示唆された。更に、活性酸素が免疫応答を負に制御しており、酸化ストレスマーカーのHO-1発現がCD11b陽性細胞で増強していることが明らかになった。 5.粒子状付着微生物成分のヒト結膜細胞に及ぼす影響:培養したヒト結膜上皮細胞にPM2.5を0, 1, 10, 50 and 100μg/mlの濃度で加えて、12, 24, 48時間培養し、培養上清中のサイトカインとケモカインを測定した。IL-6やRANTESなどのアレルギー性炎症に必須な蛋白がPM2.5により産生され、PM2.5はアレルギー性結膜炎の増悪に関与していることが示唆された。
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