研究課題
C57BL/6JJcl近交系マウスを用いて、4世代変異間、変異蓄積した独立な8家系由来のマウスから、最終的に、新規塩基置換449個、初代親由来minor SNP1536個を検出した。この結果、自然発生突然変異率mは5.39×10^-9/bp/世代、その95%信頼限界は4.90×10^-9/bp/世代<m<5.91×10^-9/bp/世代と高精度推定を達成した。スペクトル解析精度もあがり、新規塩基置換も初代親由来のminor SNPもほぼ同様の変異スペクトルを示し、GCペアをターゲットとした塩基置換が73%を占めていた。化学変異原ENUではGCペアをターゲットとする塩基置換が28%であるので、全く正反対の結果となり、それぞれ、変異が生じる分子機序が大きく異なることを実証できた。さらに、新規に生じた変異がどの個体由来すかトレースにも成功し、新規変異の26.2%がモザイク体細胞変異としてもともと生じていると言う全く予期しない新しい発見を得た。また、1989年にジャクソン研究所のオリジナル系統から分岐して以来、C57BL/6JJcl系統に固定した固有SNPを全ゲノムから4601個固定した。この結果は、全ゲノム超高速シーケンシングを用いることで年単位で分子進化学的実験解析ができることを実証している。さらに、突然変異の生物学的機能解析の標準データとなる6週齢C57BL/6JJclマウスの主要17臓器の網羅的転写ボディマップをRNA-seq法を用いて整備した。また、翻訳レベルにおける変異の生物学的効果として、ゲノム編集法を応用して確立したフレームシフト変異の発現解析を行ったところ、一般的な分子生物学的知見に反してフレームシフト変異が導入された場合でも、ほぼ全長に近いタンパク質が翻訳されるケースがあることを発見し「定型外翻訳illegitimate translation」として原著論文発表した(Makino, Fukumura, Gondo, 2016)。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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