• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

製品のリサイクルと廃棄ステージにおける有害化学物質の挙動と環境影響評価

研究課題

研究課題/領域番号 25241023
研究機関横浜国立大学

研究代表者

益永 茂樹  横浜国立大学, 環境情報研究科(研究院), 教授 (50282950)

研究分担者 三宅 淳巳  横浜国立大学, 環境情報研究科(研究院), 教授 (60174140)
本藤 祐樹  横浜国立大学, 環境情報研究科(研究院), 教授 (90371210)
小林 剛  横浜国立大学, 環境情報研究科(研究院), 准教授 (60293172)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード化学物質管理 / 製品中化学物質 / リサイクル / 廃棄ステージ / プラスチック添加剤 / 難燃剤 / リスク評価
研究実績の概要

本研究は、製品のリサイクルと廃棄ステージを考慮した包括的な環境影響評価の手法を提案することを目的としており、初年度である本年度では大きく3つの課題に対し着手し以下にあげる成果が得られた。
リサイクル・廃棄ステージの処理プロセスとフローを調査するため、家電リサイクル工場、塩ビリサイクル工場、プラスチックリサイクル企業、廃棄物最終処分場などの見学およびヒアリング調査を行った。また、同時に工場内での作業環境についての簡易的な調査も行った。プラスチックリサイクルにおける剪断加工工程にて発生する摩擦熱により、プラスチック製品中の添加剤の作業環境中への放散が促進されることが予想された。作業環境は騒音対策として閉鎖されているため、十分な換気量が確保されているかなど、さらなる調査が必要である。
主要な工業製品の素材としてプラスチックを選定し、その添加剤についての網羅的なデータベースの作成を行った。添加剤の種類として難燃剤、可塑剤、硬化剤など8種類に分類し、合計222の化学物質に対してオクタノール・水分配係数や環境中での半減期、生物蓄積性などの物性値をまとめた。本データベースで得られた物性値に加え、臭素系難燃剤からの代替により近年使用量が増加しているという社会的背景から、リン系難燃剤を今後の調査の対象物質として選定した。
リン系難燃剤は車室内の内装材などに使用されているということに加え、車室内の特徴(空間に対して表面積が大きい、日射により高温になりやすい)から、車室内環境を対象にリン系難燃剤の存在実態を調査した。また、リン系難燃剤のような準揮発性有機物質の重要な暴露媒体の一つであるダストについても着目し、ダスト中のリン系難燃剤の含有量についても調査を行った。気相中のリン系難燃剤と比較し、ダスト中からはより多くの種類のリン系難燃剤が検出された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

おおむね計画に従い進行しているが、予定していた製品中の添加剤分析や放散の測定に関して専門的知識を有する科学研究費研究員については、先方の都合により参画を得られなくなったため、車室内環境中のリン系難燃剤の存在実態の調査において一部遅れが生じた。このため「3) やや遅れている」とした。

今後の研究の推進方策

本年度に作成したプラスチック添加剤のデータベースをWEB上への公開準備を進める。蛍光X線分析を用いた汚染物質のスクリーニングおよび起源解析手法の開発を行う。蛍光X線分析は有機、無機問わず、定性定量ができるため、スクリーニングに向いている。また、蛍光X線分析により元素分析を行うことにより、得られた含有元素組成データから汚染物質の起源解析が可能であると考えられる。また、質量分析装置(GC-MSMS、LC-MSMS)により、より詳細なプラスチック添加剤の定性定量を行う。対象物質としては車室内の内装材、家電製品などを予定している。家電製品は家電リサイクル法によりリサイクルを義務付けられているため、一部、リサイクルプラスチックが使用されている。これにより、身近な家電製品中に含まれるリサイクルプラスチックとバージンプラスチックとの違いについて考察を行う。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 直接試料導入質量分析法による工業製品中ビス(トリブチルスズ)オキシドの分析2013

    • 著者名/発表者名
      片岡敏行、益永茂樹
    • 雑誌名

      分析化学

      巻: 62 ページ: 965-970

    • DOI

      https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunsekikagaku/62/11/62_965/_pdf

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 車室内部材から放散する化学物質による車室内汚染 -車室内のVOC, SVOC, アルデヒド類濃度の測定-2014

    • 著者名/発表者名
      徳村雅弘, 達晃一, 畑山瑠莉香, 内藤敏幸, 竹田哲也, 山取由樹, 内藤加奈子, 益永茂樹
    • 学会等名
      第23回環境化学討論会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2014-05-14 – 2014-05-16
  • [学会発表] 車室内における化学物質の実態調査2013

    • 著者名/発表者名
      畑山瑠莉香、 村雅弘、達晃一、益永茂樹
    • 学会等名
      平成25年室内環境学会学術大会
    • 発表場所
      長崎県アルカスSASEBO
    • 年月日
      2013-12-05 – 2013-12-06
  • [学会発表] Environmental risk minimization method based on lifecycle risk assessment and alternative assessment for HBCD in products2013

    • 著者名/発表者名
      S. Managaki, T. Kobayashi, H. Hondo, T. Nakarai, A. Miyake, S. Masunaga
    • 学会等名
      Society of Environmental Toxicology and Chemistry North America 34th Annual Meeting
    • 発表場所
      Nashville, TN, USA
    • 年月日
      2013-11-17 – 2013-11-21
  • [学会発表] 副生PCB 含有顔料使用製品からの3,3'-Dichlorobiphenyl暴露評価2013

    • 著者名/発表者名
      片岡敏行、栗原勇、片桐律子、和田丈晴、益永茂樹
    • 学会等名
      環境科学会2013年会
    • 発表場所
      静岡県コンベンションアーツセンター
    • 年月日
      2013-09-03 – 2013-09-04

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi