研究課題
縄文・弥生時代における編組・繊維製品等への植物利用の実態を明らかにするために、日本及び中国の新石器時代~近世遺跡の出土遺物の調査を行った。調査した遺跡は青森県川原平遺跡・五月女遺跡、宮城県仙台城二の丸遺跡・多賀城遺跡、東京都新宿南元町遺跡・御殿前遺跡・下宅部遺跡、神奈川県池子遺跡、富山県桜町遺跡、石川県八日市地方遺跡、滋賀県滋賀里遺跡・粟津湖底遺跡・金森西遺跡、奈良県唐古・鍵遺跡、岡山県津島岡大遺跡、香川県永井遺跡・多肥松原遺跡、徳島県庄遺跡・蔵元遺跡、大分県龍頭遺跡、それに中国浙江省余姚市田螺山遺跡の21遺跡である。これらの遺跡では出土編組製品・縄・紐・繊維製品・樹皮製品等について遺物の実見・観察記録・写真撮影を行い、可能な物については素材同定あるいは精密観察用の試料小片の提供を受けた。提供を受けた資料については東北大学植物園に持ち帰り、デジタルマイクロスコープによる観察、写真撮影の後に、樹脂に包埋し、組織切片を作成して光学顕微鏡による植物種同定と素材調整法の観察を行った。また、一部については走査型電子顕微鏡及びマイクロX線CTスキャナーによる観察、写真撮影も行った。得られた結果は各遺跡の遺物を所管する機関に報告すると共に、それらの機関が発行する発掘調査報告書あるいは概報等の原稿を執筆した。また、今年度及び過年度に得られたデータを基に学会等で発表すると共に、2015年11月21日に国立歴史民俗博物館で開催された同館主催のフォーラム「さらにわかった!縄文人の植物利用」で中心的な発表を行い、翌22日に明治大学お茶の水キャンパスで本科研費研究成果公開シンポジウム「縄文・弥生時代の編組製品研究の新展開-植物資源利用・技法・用途-」を主催して成果を公表した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 5件)
季刊考古学
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植生史研究
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Palaeogeography Palaeoclimatology Palaeoecology
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