研究課題
本年度は、昨年度に開始した4年間の研究期間の2年目にあたるが、主な研究実績は以下の通りである。(1)昨年度に購入した観測機器(無線式温湿度ロガー130台、気圧ロガー50台)のキャリブレーション(補正)を行い、5月中に首都圏の130カ所の小学校・百葉箱内に設置した。(2)データロガーの測定インターバルを10分間に設定し、およそ50日間隔でメモリー内部のデータを取得して、地点毎の連続時系列データベースを作成した。観測機器の設置とデータ回収作業は、気象専門の業者に委託し、回収した生データのチェックと入力作業は学部学生の協力で行った。(3)一方、本研究の連携研究先である東京大学地震研究所が実施している「首都圏地震観測網」(MeSO-net)で観測中の首都圏296カ所における気圧観測値(1分間隔)を入手し、異常値の検出、高度補正などを行った上で、本研究(METROS)の気圧観測データ(50地点・10分間隔)と連結して、約350地点の高密度気圧観測データベースを作成した。(4)本年度は、首都圏における典型的な局地的豪雨の発生が観測されなかったため、上記で整備された気温・湿度・気圧の高密度観測データの品質管理と各種統計解析を行った。
2: おおむね順調に進展している
今年度の前半は、昨年度末に購入した観測機器の補正と設置・データ回収作業を行い、ほぼ予定通り全地点の観測データを取得することができた。年度の後半は、回収したデータをコンピュータへ入力し、地点ごとに異常値の検出と補正を行い、最終的に全データを統一した10分間隔で時系列化し、フォーマットを整えた。本年度は、首都圏における典型的な局地的豪雨の発生が観測されなかったため、上記で整備された気温・湿度・気圧の高密度観測データの品質管理と各種統計解析を行った。
2014年度に実施した首都圏高密度温湿度観測データ(+東大地震研MeSO-net観測網気圧データ)に加えて、2011年度~2013年度の高密度気温観測データ(+東大地震研MeSO-net観測網気圧データ)についても、気圧と気温の時空間変動をSVD(特異値分解)解析して、ヒートアイランド(高温域)と熱的低気圧(heat low)の関連を分析する計画である。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (5件)
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