研究課題
本年度は、最終年度となるため、これまでに観測を行ったデータの総括・整理および統計学的解析を行った。具体的には、2014年夏季(7月~9月)の気温と地上気圧データを用いて、高密度観測に認められる夏季関東地方の気温と地上気圧の時空間変動の特徴を明らかにした。以下に、その概要を記す。関東地方で実施した高密度観測から得られた夏季の気温と気圧データに対して主成分分析を行い、これらの時空間変動にみられる特徴を明らかにした。気温場と気圧場それぞれの上位3主成分には、海陸風循環、ヒートアイランド現象、北東気流に関係した空間分布が認められ、相互の主成分間に有意な相関関係が存在することがわかった。これらの気温と気圧の関係は、いずれも相対的に気温が高い(低い)地域で気圧が低い(高い)傾向を示す。晴天日の気温と気圧の分布には明瞭な日変化が認められ、日中には海風の発達に伴い、関東平野の内陸部で相対的に高温低圧となり、日没後から夜間にかけては、ヒートアイランド現象が顕在化して東京都心から北側郊外にかけての都市部で相対的な高温低圧傾向が認められた。これらの観測事実に基づいた解析から、晴天日の気温と気圧の主要な日変化パターンに、内陸部の高温低圧に伴う海風循環とヒートアイランド現象に伴う高温低圧が認められた。本研究の最終目的である、ヒートアイランドと熱的低気圧および局地的豪雨の発生要因の解明については、それらの相互関連は一定程度認められたが、解析事例が十分でないため、最終的な結論は得られていない。今後、さらに研究を進めてゆく予定である。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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土木学会論文集B1(水工学)
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地理
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日本大学文理学部自然科学研究所研究紀要
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