研究課題
我々は、約10年間、B型肝炎ウイルス研究に基づくバイオナノカプセル(BNC)技術を開発してきた。そして、様々な製薬企業と共同研究を実施し、研究業績に記したように約30件(原特許ベース)の特許申請を行って知財確保に努め(そのうち基本特許群は日米欧韓等で成立済)、さらに50件以上の論文発表を行なってきた。本研究では、天然のナノマシンであるヒト由来ウイルス(最大27種)の外皮タンパク質を遺伝子工学的にVLP(ウイルス様粒子)化し、蛍光標識した後、細胞及び実験動物を用いて、B型肝炎ウイルス表面抗原粒子(バイオナノカプセル)と同様に(1)能動的標的化能、(2)ステルス能、(3)細胞内侵入能が存在するかどうか網羅的に解明した。機能が確認されたVLPから、能動的標的化ドメイン、ステルス能ドメイン、細胞内侵入能ドメインの同定を行うことに成功し、ペプチドレベルに集約することができた。そして、各ドメインに相互作用する分子の同定(推定レベルも多い)を進めると共に、アニオン性リポソームをはじめナノミセル、ポリスチレンビーズ等の様々なナノ粒子表面に各ドメインを提示させ、オリジナルのウイルス(又はVLP)と同じ挙動(細胞、生体内)を示すか検討した。以上から、ナノキャリア表面への各ドメインの普遍的な提示ルールを解明することができた。その結果、今までとは次元の異なる、ウイルスが進化の過程で獲得した機能を有する「全く新しいDDSキャリア」の創製の道が拓けたと考えられる。これは、次世代ナノメディシンを支える基盤技術になるであろう。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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