研究課題/領域番号 |
25242052
|
研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
山谷 泰賀 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, チームリーダー (40392245)
|
研究分担者 |
高橋 浩之 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70216753)
羽石 秀昭 千葉大学, フロンティア医工学センター, 教授 (20228521)
菅 幹生 千葉大学, フロンティア医工学センター, 准教授 (00294281)
河合 秀幸 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60214590)
志田原 美保(古本美保) 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20443070)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 画像診断システム / PET / 画像再構成 / 放射線がん治療 / 核医学 / ポジトロンCT |
研究実績の概要 |
未だ死亡原因一位のがんに対し、近年、陽電子断層撮影法(PET)や重粒子線がん治療などに代表されるように、がんの診断法および治療法それぞれについて大幅な技術革新が行われてきたが、診断と治療の組み合わせがもつポテンシャルについてはほとんど研究されてこなかった。本研究は、世界初の開放型PET「OpenPET」を発明し、従来技術では不可能であった、PETでみながらの放射線治療やPETでみながらの外科手術の実現を目指す。初期アイディアの二重リング方式(2008年発表)は、より治療イメージングに最適化された単一リング型の第二世代OpenPETへ進化した(2011年発表)。そこで本研究では、第二世代OpenPETの実現や発展に不可欠な革新的要素技術を集約的に研究し、中型試作機を開発して実証する。平成26年度の研究実績は以下の通りである。 (ア)可変型第二世代OpenPETの要素技術開発 (ア-1)画像再構成手法開発:第二世代OpenPETに適した検出器校正法や吸収補正法、散乱補正法を開発した。(ア-2)高性能放射線計測回路開発:耐放射線性対策を施したCMOSのASICの設計・試作および試験を実施した。(ア-3)放射化影響対策:シンチレータ等の放射化を測定し、装置の放射化量を推定した。 (イ)腫瘍トラッキングシステムの開発:数値人体ファントムXCATを用いた体動推定精度の検証を行った。 (ウ)粒子線治療での「その場」がん性状計測法の研究:画像解析方法の最適化とともに、標的部位などからwashoutなど生理機能を推定する方法について検討した。 (エ)中型試作機開発・実証試験:データ収集システムを開発した(既存の16検出器用を32検出器対応に拡張)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
試作機の開発において懸念していたいくつかのリスク要因をクリアでき、試作機の開発が予定より早く進行したため。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究の最終年度となる平成27年度は以下の研究開発を実施し、本研究を総括する予定である。 (ア)可変型第二世代OpenPETの要素技術開発 (ア-1)画像再構成手法開発:第二世代OpenPETに適した検出器校正法や吸収補正法、散乱補正法を、開発する中型試作機へ実装する。ファントム実験等で性能評価。 (ア-2)高性能放射線計測回路開発:耐放射線性能を向上させたCMOSのASICの開発。中型試作機への実装の試行。 (ア-3)放射化影響対策:照射中の放射化量の測定。得た知見を中型試作機に反映する。 (イ)腫瘍トラッキングシステムの開発:腫瘍トラッキングシステムのパラメータ最適化と中型試作機への実装。 (ウ)粒子線治療での「その場」がん性状計測法の研究:開発する中型試作機を用いた動物実験。正常組織と腫瘍組織とのwashoutや解析で得られるその他の生理機能からの病態評価の試行。 (エ)中型試作機開発・実証試験:ガントリ開発、試作機組み立て、評価実験
|